本州最北端、東北唯一の媽祖を祀る社、7月に天妃祭、8月に山車
[住所]青森県下北郡大間町大字大間字大間91
[電話]0175-37-4101

稲荷神社(いなりじんじゃ)は、青森県下北郡大間町にある神社。近代社格では村社。本州最北端である大間町の地名を取り、大間稲荷神社とも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

農耕神として倉稲魂命を稲荷大神として、海上の神として媽祖を天妃媽祖大権現として、また、金毘羅大権現・弁才天などを合祀する。

媽祖を祭祀する神社というのは珍しく、東北地方ではこの神社だけとされている。

元禄年間(1688年-1704年)、後に大間の名主となる伊藤五左衛門が海上で加護を受けたことから、中国の道教の神である媽祖(天妃)を海・船の神として祀るようになった。

天妃信仰は、中国や東南アジアの海岸地域で広く信仰されている海上の守護神で、日本では弟橘媛と混交して広まったとされる。

弟橘媛は常陸国に縁があり、江戸時代には水戸藩の徳川光圀が清国から伝えられた天妃像を祀ったとされており、当社の天妃媽祖大権現も那珂湊(茨城県)から勧請したものともされる。

勧請と奉遷が元禄9年(1697年)7月23日と伝わっており、3月23日・7月23日・8月23日が天妃祭となっている。

遷座300年となった平成8年(1996年)から毎年7月の海の日に合わせて、天妃様行列が行われている。

一方、稲荷神については、能登屋市左衛門が享保15年(1730年)に勧請したのが始まりと伝わり、8月10日を大祭日とした。古くは百滝稲荷大明神と称していた。

明治に入ると、明治6年(1873年)にこれらを合祀するようになり、金毘羅大権現・弁才天もあわせるようになった。その後、明治16年(1883年)に現在地へ移転した。

現在の例祭は8月9日-11日。8日が宵宮。9日から11日にかけて、京文化が漂う祇園系の祭囃子とともに、天狗を先頭とした稚児行列、稲荷丸・仁和賀山・大正山・弁天丸の山車などが練り歩く。

特に山車同士がすれ違う時のお互いの激しい囃子のかけ合いが見もの。大間の夏を飾る祭典として知られる。

各家の玄関先で、山車の引き手たちが威勢よくかける「どっとこ」という木遣りが、町の人の楽しみ。

この祭りと前後して、当地では待望のマグロが海峡に姿を現し、そして静かに秋に、さらに冬に向かうことになる。

【ご利益】
水難除け、海上・交通安全、大漁満足・商売繁盛
稲荷神社(大間町) - 本州最北端、東北唯一の媽祖を祀る社、7月に天妃祭、8月に山車
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