艦艇に分霊を奉遷して祭祀する、日本特有の「恐怖の海」への対処法
艦内神社(かんないじんじゃ)とは、艦艇に特定の一つ、あるいは複数の神社の御分霊を分祀して、艦艇内で奉斎する神社の総称である。そう広くない艦艇に設けられているため、神社といっても、一般家庭の神棚とそう変わらないサイズ、あるいはさらに小さい場合も多いが、正式に御分霊を奉遷しているのが特徴。海外に類似な風習はほとんど認められず、ほぼ日本独自のものといえる。
主に大日本帝国海軍の艦艇や海上自衛隊の艦艇で祀られている神社を指す場合が多いが、民間の商船などでも神社を設けているものもみられる。
海外では、例えばキリスト教圏では、教会を艦艇内に設けることはあり得るが、性質上、日本のいわゆる艦内神社とはだいぶ異なるものと考えられる。
そうした教会はあくまでもクルー個人の心の拠り所であって、その教会に神が宿り、その船を守護する、という側面が船乗りの現実的な思いとして全くないわけではないだろうが、キリスト教の教義から言えば、それはあり得ない。
勧請・分祀できる、という、世界中にも例を見ない、日本の神々の性質の賜物ともいえるのが艦内神社である。
いわゆる船霊信仰との兼ね合いがよく指摘されるが、船霊信仰は、船そのものが神格化したものという意味合いが強いものと思われ、それとは別の神を奉遷して祭祀する艦内神社とは少し意味合いが違う。
ただし、艦内神社に奉遷された神も、その船の守護神としてはもちろん、その船そのものの神格化にリンクする場合もあり得、明確に船霊信仰と切り分けることも難しい。
艦内神社が体系化されたのは、日清・日露の両戦役以後のことと考えられ、近代日本における風習であることは間違いなく、単純に船霊信仰の発展形とは言えないものの、はっきりと無関係とも言えない。
島国日本において、古来より船そのものや、その安全な航海、海上での戦闘における無事と勝利は何よりも重要視され、それが日本の信仰と深く結び付いてきたことは想像に難くない。
海では何が起こるかわからない。これは科学が進んだ今でも、古来から変わることない船乗りの潜在的な恐怖であり、それが日本独自の信仰と融合して成立した、その一つの形態が艦内神社であり、今現時点でも祭祀が続けられている所以だろう。
ここでは、自衛艦の艦内神社と日本海軍の艦内神社のそれぞれ判明している勧請元や、ゲーム『艦これ』のキャラクター別を中心とした聖地としての神社をまとめた、それぞれのページをまとめている。




【関連記事】
・神社いろいろ - 社格や形式などで神社を分類したまとめ - 神社のまとめ・時事その他編
主に大日本帝国海軍の艦艇や海上自衛隊の艦艇で祀られている神社を指す場合が多いが、民間の商船などでも神社を設けているものもみられる。
海外では、例えばキリスト教圏では、教会を艦艇内に設けることはあり得るが、性質上、日本のいわゆる艦内神社とはだいぶ異なるものと考えられる。
そうした教会はあくまでもクルー個人の心の拠り所であって、その教会に神が宿り、その船を守護する、という側面が船乗りの現実的な思いとして全くないわけではないだろうが、キリスト教の教義から言えば、それはあり得ない。
勧請・分祀できる、という、世界中にも例を見ない、日本の神々の性質の賜物ともいえるのが艦内神社である。
いわゆる船霊信仰との兼ね合いがよく指摘されるが、船霊信仰は、船そのものが神格化したものという意味合いが強いものと思われ、それとは別の神を奉遷して祭祀する艦内神社とは少し意味合いが違う。
ただし、艦内神社に奉遷された神も、その船の守護神としてはもちろん、その船そのものの神格化にリンクする場合もあり得、明確に船霊信仰と切り分けることも難しい。
艦内神社が体系化されたのは、日清・日露の両戦役以後のことと考えられ、近代日本における風習であることは間違いなく、単純に船霊信仰の発展形とは言えないものの、はっきりと無関係とも言えない。
島国日本において、古来より船そのものや、その安全な航海、海上での戦闘における無事と勝利は何よりも重要視され、それが日本の信仰と深く結び付いてきたことは想像に難くない。
海では何が起こるかわからない。これは科学が進んだ今でも、古来から変わることない船乗りの潜在的な恐怖であり、それが日本独自の信仰と融合して成立した、その一つの形態が艦内神社であり、今現時点でも祭祀が続けられている所以だろう。
ここでは、自衛艦の艦内神社と日本海軍の艦内神社のそれぞれ判明している勧請元や、ゲーム『艦これ』のキャラクター別を中心とした聖地としての神社をまとめた、それぞれのページをまとめている。
自衛艦の艦内神社 MAP

日本海軍の艦内神社 MAP

『艦これ』艦娘たちの守護神 MAP

伊勢神宮と艦内神社

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