縄文遺跡も多い熱海沖合の初島、伊豆山ゆかりの初木姫、海自「はつしま」
[住所]静岡県熱海市初島
[電話]0557-80-3164

初木神社(はつきじんじゃ)は、静岡県熱海市初島にある神社。御朱印の有無は不明。

熱海市の沖合、相模湾に浮かぶ小島である初島には縄文時代から人が暮らしており、小さな島内に実に七つの縄文遺跡がある。

当社は、第5代孝昭天皇の御代に島に漂着した初木姫が祀られ、対岸の伊豆山の伊豆山彦とのロマンスなど、その後の初木姫を巡る様々な物語が残されている。

いわゆる伊豆山権現に連なる系譜となる、その祖神ともいえる。当社には他に大津見命(おおつみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)も祀られている。

代々、当社の神職を勤めてきた熱海市南部網代の高杉家に残されている当社の御神体である懸仏の制作年代から、当社の創建が鎌倉時代以前であることが知られている。

また、当社社殿の下からは奈良時代よりさらにさかのぼる古墳時代の祈りの場所である磐倉の跡が発見されている。孝昭天皇の時代、というのがぐっと近づいてきた。

一説に南北朝時代の観応2年(1351年)の創建とも伝わるが、懸仏という物的証拠があり、これは再建などを意味するものか。

当社の例大祭では、鹿島踊りの奉納があり、島の1年で最も大きなイベントになるなど、古代から変わらぬ島人の信仰の中心になっている。

なお、海上自衛隊の掃海艇「はつしま」の艦内神社に分祀。「はつしま」の艦内神社は伊豆山神社も勧請しており、初木姫伝説が意識されたものか。

初島には他に、江戸修築のための江戸城石切り場跡や、建保2年(1215年)に時の将軍源実朝が二所権現(伊豆山神社・箱根神社)参拝の際に初島を詠んだ歌の歌碑などもある。

また、初木姫の伝説にもよく似ているものの、悲恋として知られるお初の伝説に関連するお初の松、海中から現れたといわれる剣が納められ、大漁のご利益がある竜神宮がある。

初島灯台からは、『三宅記』などに描かれた伊豆諸島の創世と神々の物語そのままの、伊豆大島を始め、伊豆の島々のうち5島が遠く見渡せる。

【ご利益】
海上・交通安全、水難除け、良縁・縁結び
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