本宮・中宮・里宮からなる平安期創祀の武と縁結びの神、球磨郡の守護神
[住所]熊本県球磨郡湯前町下城
[電話]0966-43-3032

市房山神宮(いちふさやまじんぐう)は、熊本県球磨郡湯前町にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

霊峰市房山を御神体として、水上村湯山の山中の本宮・山麓の一の宮神社(中宮)・湯前町の里宮神社(下宮)の3社で構成されている。

創建は平安時代の大同2年(807年)と伝わる。相良領主累代の尊崇厚く、球磨郡民また郡外の伝統的信仰の中軸となり、武の神、縁結びの神として崇敬された。

御祭神は霧島神宮と同体とされ、江戸時代までは市房大権現と呼ばれていた。

本宮は、市房山の中腹4合目に鎮座する。別当寺は、最初湯山にあったが、永正3年(1511年)、岩野に移され普門寺と号した。

天正10年(1582年)に住僧盛誉が殺害された猫寺騒動により無住の寺となった。

その後、慶長9年(1604年)に僧頼真によって普門寺は湯前城の旧跡に再興され、相良氏から江戸時代を通して球磨郡内の寺院で最高の石高460石が給された。

この普門寺に当宮の遥拝所が設けられた。しかし明治5年(1872年)、普門寺は廃寺となり、単に遥拝所となった。しかしそれも、明治16年(1883年)6月5日に火災によって全焼。

昭和4年(1929年)、遥拝所跡地に里宮建立の機運が高まり、昭和6年(1931年)2月、県から神社建設の許可を得て、建設開始。昭和9年(1934年)に完成した。

神殿6坪・幣殿6坪・拝殿20坪・社務所36坪など総経費3万5000円の計画で、湯前村(現 湯前町)は、村費から1万5000円を拠出。

さらに、球磨郡内全24町村(当時)から6000円の寄付を求め、その他氏子及び篤志家の寄付により実現した。これが現在の里宮神社である。

武の神であるため、戦前には軍隊に入隊する男子は武運長久を祈願し、一握りの土をもらって肌身離さず身につけたと伝わる。

日本海軍の軽巡洋艦「球磨」の艦内神社に分祀。艦艇を擬人化したキャラクタである艦娘(かんむす)を強化・育成、正体不明の敵艦を撃破していくゲーム・アニメ『艦これ』ゆかり。

例祭は11月15日で秋祭り、秋季大祭。五穀豊穣感謝祭で、神社本庁から幣帛が贈られ、地元中学生による「球磨神楽」「太鼓踊り」「棒踊り」の奉納もある。

チェンソーアート世界チャンピオンの城所ケイジによって平成22年(2010年)には昇り龍が、平成23年(2011年)には降り龍が、それぞれ御神木から彫刻され、安置されている。

里宮の境内には、樹齢280年とされ、秋には真っ赤に色づく大もみじや、樹齢180年とされる大スギなどがある。徳富蘇峰創建の碑や、クジャクもいる。

【ご利益】
縁結び、武運長久・勝運、身体壮健、健康長寿(公式HP
市房山神宮 - 本宮・中宮・里宮からなる平安期創祀の武と縁結びの神、球磨郡の守護神
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市房山神宮の御朱印
球磨 - Wikipedia
『艦これ』球磨