江戸後期に再生・復興した旧金手村の守護神として勧請・創建された鶴市神社
鶴一社(大分県中津市大字金手字深町147)
[住所]大分県中津市大字金手147
[電話]-

鶴一社(つるいちしゃ)は、大分県中津市金手、旧金手村にある神社。近代社格では村社。鶴市神社とも呼ばれるが、同市相原の八幡鶴市神社とは関係があるものの、別の神社。御朱印の有無は不明。

鶴女(つるじょ)と市太郎(いちたろう)母子の神霊を主神に、侍従宮(奥平昌猷公)を配祀する。

鎮座地である金手村は、低湿地で耕作に不便な荒蕪地であったため、江戸時代には過疎の村となっていた。

江戸時代後期の天保年間(1831年-1845年)に当時の中津藩藩主奥平昌猷が土質を改良したり、家屋や農具、種子を貸し付ける条件で他村からの入植者を募るといった振興策が採られた。

それにより復興し、新しく村民となった一同が謀って、嘉永年間(1848年-1855年)に灌漑水路と農耕守護の神として藍原村(現 中津市相原)の八幡鶴市神社を勧請した。

同社の鶴女と市太郎の御神霊を奉斎して村の氏神とし、あわせて復興の立役者である昌猷の徳を慕い、その御神霊を侍従宮あるいは奥平昌猷公と号して併祀した。

新規開拓の村に守護神を勧請することはよく見られるが、鶴女と市太郎という在地神の奉遷したところに特徴がある。

平安時代のこととされる大井手堰の鶴女市太郎伝説がいかに当地一帯で実態として信仰されていたのかを当社創建が物語っているといえる。

明治5年(1872年)に村社に列し、昭和20年(1945年)5月に神饌幣帛料供進指定を受けた。

本殿は一間社流造屋根銅板葺。周囲に擬宝珠勾欄付きの縁を廻らすが背面は脇障子を立てて略している。妻飾りは虹梁大瓶束。

幣殿、拝殿とも桁行3間梁間2間の入母屋造平入で屋根は桟瓦葺。境内社として、本殿脇に稲荷社の石祠が鎮座する。

【ご利益】
水難除け、五穀豊穣・商売繁盛、地域振興、地域・家内安全
鶴一社 - 江戸後期に再生・復興した旧金手村の守護神として勧請・創建された鶴市神社
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