平安期創建、巨木がある佐賀藩主の崇敬社、11月に「ねじり浮立」
[住所]佐賀県佐賀市高木瀬東2-12
[電話]0952-30-9044

高木八幡宮(たかぎはちまんぐう)は、佐賀県佐賀市にある神社。御祭神は、大鷦鷯天皇誉田天皇気長足姫天皇御朱印の有無は不明。

『肥陽古跡記』に、当宮は「高木村にあり、久安中、貞永の祀る」ところ、とある。久安 年間は平安時代の1145年-1151年で、高木越前守藤原貞永のこと。

ただし、文治2年(1186年)の創祀とも。貞永が霊験に任せて旭日の形を画いた旗を押し立て、居城の守護神として八幡大神を奉祀したという。

この旭日の形を画いた旗じるしが、高木家の家紋の「十二日脚」で、当宮の神紋も同じ。この紋は後世、龍造寺家が踏襲し、鍋島家の家中でも用いるものがあったという。

中世当国に威勢を振るった高木氏の礼拜所であったため、非常に盛運を極めたという。上佐賀下郷中の総社だったという。

また、若干距離はあるが、市内大和町の肥前国国分寺の守護神とする場合もある。肥前国は一国一社の八幡宮、いわゆる国府八幡宮が不明であるため、当社がそれを兼ねていた可能性もある。

社記や古文書は天明年間(1781年-1789年)に焼失して詳細な由緒は不詳。佐賀藩第2代藩主鍋島光茂の銘のある寄進物があるため、藩主崇敬社であったことは間違いない。

御祭神について、『佐賀県神社誌要』には、仲哀天皇菅原道真・仁徳天皇・応神天皇・天鹿兒矢命天照皇大神・神功皇后・源為朝とある。

これは明治期以降の合祀も含まれる。地元東高木地区の外に、大字東高木、大字高木の各地区に多くの末社があったが、これらも統合された。

例祭は11月中旬の日曜日。「ねじり浮立」が奉納される。「高木八幡ねじり浮立」として、市の重要無形民俗文化財に指定されている。

天衝舞・大太鼓・鉦・小鼓・笛・お謡いからなり、鉦打ち・モリャーシ(小鼓)がそれぞれ2列になって笛に合わせて「道行」で神前まで進み、神前で舞う祓え=本囃子と「エイヤー」と「まくり」が奉納される。

天衝舞は、大太鼓や笛に合わせて勇壮に舞う。この浮立の呼称は、青壮年男子が掛け声とともに、上体をねじらせて鉦を打ち、モリャーシの子供たちも鉦打ちと同様の所作をして小鼓を打つことから「ねじり浮立」と呼ばれるようになったという。

境内社に、須賀神社・天満神社・椎森稲荷大明神・猿田彦大神・天照皇大神太神宮・太郎坊神社などがある。

樹齢450年、樹高25.3メートル、幹周5.7メートルのクスノキが御神木で、市の保存樹に指定されている。同じような樹齢のムクノキの巨木もある。

【ご利益】
厄災除け、病気平癒、諸願成就
高木八幡宮(佐賀市) - 平安期創建、巨木がある佐賀藩主の崇敬社、11月に「ねじり浮立」
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