愛媛県の3市に鎮座する、式内社を中心とした由緒正しい六社の総称
西条藩祈願所六社 - 愛媛県の3市に鎮座する、式内社を中心とした由緒正しい六社の総称
西条藩祈願所六社(さいじょうはんきがんしょろくしゃ)とは、伊予国西条藩藩主松平氏によって指定された藩の祈願所としての六つの神社の総称である。初めから六社だったわけではなく、祈願所が順次増えて、最終的に六社になった。

現在の愛媛県、西条市・四国中央市・新居浜市の3市にまたがり、いずれも由緒正しい神社で、多くが『延喜式神名帳』に記載のある式内社であり、周敷神社のように式内比定を経て祈願所として指定された例もあって、偶然ではないだろう。

西条藩主の松平家は御三家紀州藩徳川家の流れを汲む、徳川一門の親藩でありながら、明治維新の際にはいち早く新政府に恭順の姿勢を示しているが、このこととも関係しているのかもしれない。

維新後の近代社格では、この六社はいずれも県社以上となっており、藩政から維新後の県政において、これら神々への崇敬の連続性も読み取れる。

西条藩の一大事業として知られる新居郡の加茂川・中山川両河口部の干潟干拓に際しても、この六社の神主が招集され、現在の嘉母神社が再建されるなど、藩が一体となっていかに崇敬されてきたのかがうかがえる。

伊曽乃神社

伊曽乃神社 - 「ISOの神」は伊予開拓伝承を残す、大規模な例大祭で知られる古社
[特徴]名神大社、国幣中社、別表神社
[指定]寛文10年(1670年)
[住所]

周敷神社

周敷神社 - 多治比氏の氏神、江戸期に郡違いで式内論争、その後式内比定経て藩祈願所に
[特徴]式内小社、県社、江戸期に式内論争
[指定]享保7年(1722年)
[住所]

石岡神社(西条市)

石岡神社(西条市) - 神功皇后が奉斎、源頼義が再建、西条だんじり祭りの発祥とも
[特徴]県社、神功皇后が奉斎した八幡宮
[指定]寛文10年(1670年)
[住所]

村山神社(四国中央市)

村山神社(四国中央市) - 斉明天皇伝承、境内に巨大な「お宝塚」、伊勢の代替参拝も
[特徴]名神大社、県社、斉明天皇の伝承
[指定]不詳も、寛文10年(1670年)?
[住所]

黒嶋神宮

黒嶋神宮 - 黒島に鎮座する式内、後の斎宮・大来皇女が無事に出産したと伝わる安産の神
[特徴]式内小社、県社、著名な安産の神
[指定]寛文10年(1670年)
[住所]

一宮神社(新居浜市)

一宮神社(新居浜市) - 焼き討ちした毛利氏が祟り恐れた、樹齢1000年の大楠、太鼓祭り
[特徴]県社、新居郡の一宮、クスノキ群
[指定]宝永2年(1705年)
[住所]

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