『出雲国風土記』所載の宇比多伎山、大国主命が朝ごとに通った美人姫を奉斎
朝山神社(島根県出雲市朝山町1404)
[住所]島根県出雲市朝山町1404
[電話]-

朝山神社(あさやまじんじゃ)は、島根県出雲市朝山町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「朝山神社(出雲国・神門郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

『出雲国風土記』所載の宇比多伎山に比定される山の上に鎮座しており、神社の周囲は「朝山森林公園」となっている。御祭神は、眞玉著玉之邑日女命(またまつくたまのむらひめ)、神魂命大己貴命

『出雲国風土記』神門郡条の朝山郷の項に「神魂命御子 眞玉著玉之邑日女命坐之 爾時 所造天下大神 大穴持命 娶給而 毎朝通坐」とある。

すなわち眞玉著玉之邑日女命は大穴持命(大己貴命)の妻問いの相手。 美人で気が利いて性格もよく村の人から愛される心の清らかなお姫様、と伝わるという。

神魂命はその親。『古事記』において、大己貴命と、神産巣日神に関連する神として、𧏛貝比売・蛤貝比売がいる。ともかく、当社近辺は、大己貴命が朝ごとに通ったため、「朝山の郷」と呼ばれるようになり、これが社号の由来であろう。

『古事記』にも大己貴命の御盛んだった様子が描かれている(『古事記』該当箇所)。ただし、『出雲国風土記』には「浅山社」と記され、神祇官に所属しているとある。

創建は極めて古く、神代というしかなさそうだ。当地方の神楽歌に、日本初の神社を匂わせる下記のような歌詞がある。
ありがたや 宇比多伎山の宮造り これぞ社の初めなるらむ
天武天皇以来、皇室をはじめ、毛利氏・松平氏など領主の崇敬が厚く、毛利氏が出雲国を領有した際の永楽9年(中国元号:1411年)9月18日遷宮などの棟札がある。

天和3年(1683年)の『出雲風土記鈔』には「神朝山宇比多伎大明神」、享保2年(1717年)の『雲陽誌』には「雲井瀧明神」とある。

境内社に、星宮社(皇之命)、舟子神社(猿田彦命)、杉尾神社(豊受姫命)、朝山十九社(八百萬神)がある。

例祭は4月10日。旧暦10月1日-10日には神在祭が行われ、ここに集まった神々は11日に出雲大社に向かうという。先の朝山十九社がその御旅所。

【ご利益】
良縁・縁結び、美顔・美肌・美容
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