現在は小祠も、かつては広大な境内に荘厳な社殿、伊太祁曽三神
都麻都姫神社(和歌山県和歌山市平尾字若林957)
[住所]和歌山県和歌山市平尾字若林957
[電話]073-478-0006

都麻都姫神社(つまつひめじんじゃ)は、和歌山県和歌山市平尾にある神社。熊野古道の平緒王子社跡に接する地に鎮座する。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 紀伊国 名草郡「都麻都比売神社」に比定される式内社(名神大社・月次新嘗)の論社。

御祭神は都麻津姫命。伊太祁曽神社の御祭神である五十猛命が兄にあたり、大屋都姫神社の御祭神である大屋津姫命が姉にあたる。

3神の父は素戔嗚尊であり、紀伊国には須佐神社がある。『日本書紀』にあるこれら3神は、紀伊国に木種をもたらした神で、伊太祁曽三神と総称される。

式内社「都麻都比売神社」は、『続日本紀』大宝2年(702年)の伊太祁曽・大屋都比売・都麻都比売3社の分遷の記事が文献上の初見である。

『続風土記』では、当社を式内社「都麻都比売神社」に比定する説を挙げ、加えて『紀伊国神名帳』の「従四位下 妻都比咩大神」に比定する。

社名は『続風土記』では「妻大明神社」、『紀伊国名所図会』では「妻御前社」とある。

『続風土記』によれば、かつて境内は2町半あり、社殿も荘厳であったというが、天正年間(1573年-1593年)の豊臣秀吉の紀州攻めで荒廃、豊臣秀長の再興もあったが衰微したという。

現在は6段あまりの境内に小祠が鎮座する。境内には元文5年(1740年)の石燈籠2基が立つ。

なお『寛永記』によれば、かつて正月朔日・10月初亥日・11月初巳日には伊太祁曽神社の社人が当社に出仕したという。

式内社「都麻都比売神社」の論社は他に、市内禰宜の高積神社、同じく吉礼の都麻津姫神社がある。

【ご利益】
諸願成就
都麻都姫神社(平尾) - 現在は小祠も、かつては広大な境内に荘厳な社殿、伊太祁曽三神
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