山王七社の十禅師宮を勧請した久野大明神、鎌倉期の石塔と「ほいのぼり」
比都佐神社(滋賀県蒲生郡日野町十禅師410)
[住所]滋賀県蒲生郡日野町十禅師410
[電話]0748-52-6577

比都佐神社(ひつさじんじゃ)は、滋賀県蒲生郡日野町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「比都佐神社(近江国・蒲生郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では県社

御祭神は、彦火火出見尊天津彦火瓊瓊杵尊木花開耶姫命武甕槌神天太玉神大己貴神経津主神天児屋根神猿田彦神

弥生時代すでに開けていたこの辺りは古くから「ひさ野」と呼ばれており、いくつかの村の総社として、久野の郷を守護する久野大明神として奉斎されたのが当社の創祀。

平安時代に大津坂本の日吉山王社(現 日吉大社)の荘園となり、山王七社の十禅師宮が合祀され、その名が現在に至るまで地名として残っている。

比佐郷・必佐郷とも呼ばれた当地と、その守護神である当社は、日吉の勢力の保護と、蒲生家をはじめとした武家・豪族の尊信を得て隆昌をしたという。

境内の宝篋印塔は鎌倉時代の嘉元2年(1304年)の造立で、日本有数の優れた石造物として国の重要文化財に指定されている。

現在残されている『御官請取日記』によれば、応安4年(1371年)に社殿が造営され、その150年後ほどの文明18年(1486年)に再建されたという。

江戸時代に入り享保2年(1717年)と、文化5年(1808年)の二度にわたって社殿が造営されている。

明治15年(1882年)に村社に列した。明治17年(1884年)に社殿が焼失、明治19年(1886年)に再建されたのが現在の社殿である。

大正15年(1926年)には郷社に、昭和6年(1931年)には県社に昇格した。

例祭は4月14日で「ほいのぼり/ホイノボリ」という幟を立てる神事がある。紙で作った花を幟に付け、周囲で花見の宴を行うものだという。

その幟の先端には、神の御霊代として榊を立て、別所川原と称する場所で神事が行われる。当社には目立った移転の記録はないが、この別所川原が、当社の旧社地であるとも伝えられているという。

【ご利益】
地域・家内安全、夫婦和合、子宝・安産、子孫繁栄
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