太古に鎮座、延暦寺と深い関係で天台宗の三十番神の一つ、4月に神輿渡御
那波加神社(滋賀県大津市苗鹿1-8-1)
[住所]滋賀県大津市苗鹿1-8-1
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那波加神社(なはかじんじゃ/なばかじんじゃ)は、滋賀県大津市苗鹿にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「那波加神社(近江国・滋賀郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

社伝によれば、天太玉命はこの地に降臨し太古から鎮座したという。御祭神は天太玉命とされるが、下記の農事を助けた社名の由来からか、宇迦魂命とするものもある。

老翁となった天太玉命の農事を助けるために、鹿が現れて稲の苗を背負って運んだので「苗鹿(なはか/のうか)」という社名・地名になったと伝える。

周辺には苗鹿古墳群や法光寺古墳群などが残る。天智天皇7年(668年)に社殿造営、大同2年(807年)に、現在は「上の宮」と称される荒魂社が付近に造営されたと伝える。現在も荒魂神社の社殿背後には小さな霊石があり、古い磐座信仰を留めている。

仁寿元年(851年)、小槻宿禰今雄が雄琴荘を拝領して以降、当社と雄琴神社とが小槻氏の氏神とされ崇敬された。現在、当社配神は於知別命とされるが、別説として、雄琴神社の御祭神である今雄宿禰命を配祀ともされる。

これと同時に、氏寺として建立した法光寺が当社別当寺となった。なお、法光寺境内には鎮守社として天神社があり、現在は市指定文化財になっている木造男女神像が安置されているが、これは当社御神体との説がある。

円仁が比叡山延暦寺の横川中堂を建立した際には、内陣柱を奉加した。このことも関係し、天台宗において法華経守護神である三十番神に第29番「苗鹿大明神」(本地仏:阿弥陀如来)として列している。

建武2年(1355年)には後醍醐天皇より勅使が差遣され、天下太平祈願がなされた。元亀2年(1571年)、織田信長の比叡山焼き討ちの際に社殿などを焼失し、慶長12年(1607年)に再建された。

明治9年(1876年)10月、村社に列し、明治28年(1895年)1月には郷社に、明治35年(1902年)5月には県社に昇格した。

ケヤキが市の天然記念物。境内社として、龍神社・夷社・宇賀社・大将軍社があり、いずれも玉垣内に鎮座する。荒魂神社の境内社には、大炊社・愛宕社・須古社がある。

例祭は4月29日。上の宮である荒魂神社を御旅所として、下の宮である当社から神輿の渡御が行われる。1月3日に若衆入奉告の古神事がある。

【ご利益】
地域・家内安全、地域・産業振興、平穏安寧
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那波加神社の御朱印