豊臣秀吉を祀る「とよくに」「ほうこく」、江戸期から秘密裏に奉斎も
豊国神社 - 豊臣秀吉を祀る「とよくに」「ほうこく」、江戸期から秘密裏に奉斎も
豊国神社とは、豊臣秀吉を御祭神として祀る神社であり、全国各地にある神社の総称。読みは「とよくにじんじゃ」「ほうこくじんじゃ」双方あり、漢字も旧字体の豊國を用いている神社もある。

明治時代以降の創建のものもあれば、秀吉の死後すぐに祀られ、江戸期には幕府をはばかって秘密裏に奉斎されてきたなどの由緒を持つ神社もある。

明治になり、明治天皇が秀吉を「皇威を海外に宣べ、数百年たってもなお寒心させる、国家に大勲功ある今古に超越するもの」であると賞賛したことで、一気に名誉回復となった。

天皇や時の政府による歴史判断・認識が固定化してしまうことは、現在の中国や韓国を見て分かる通り、極めて危険ではあるが、秀吉の場合、江戸時代はどうしても禁忌だったために、こうしたきっかけは必要だったかもしれない。

江戸期を通じて、加賀前田家や阿波蜂須賀家など、秀吉とゆかりの深い人物を祖とする藩主家で、秘密裏に秀吉が祀られているところに、歴史的な興味がそそられる。

と同時に、普通に考えられる禁忌以上の禁忌が日本の信仰にはあることを証明している。つまり、慰霊・鎮魂すべきを権力にはばかって慰霊・鎮魂しないことこそ禁忌である、と。

織田信長を祀る神社には建勲神社が、徳川家康を祀る神社には東照宮がある。

京都府 豊国神社(京都市)

豊国神社(京都市) - 豊臣秀吉を祀る本宮、家康に廃絶させられるが明治に復興
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]明治再建、豊国神社の総本社
[住所]京都市東山区大路正面茶屋町530
[電話]075-561-3802

大阪府 豊國神社(大阪市)

豊國神社(大阪市) - 京都本社の別社として創建された、秀吉ほか2柱を祀る出世開運の神
[読み]ほうこくじんじゃ
[説明]京都勧請、大坂城に秀頼・秀長も祀る
[住所]大阪市中央区大坂城2−1
[電話]06-6941-0229

愛知県 豊国神社(名古屋市)

豊国神社(名古屋市) - 豊臣秀吉の生地に秀吉を祀る明治創建の社、出世開運のご利益
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]明治創建、秀吉の生地に由来
[住所]名古屋市中村区中村町字木下屋敷
[電話]052-411-0003

滋賀県 豊国神社(長浜市)

豊国神社(長浜市) - 江戸期には恵比須神を祀り秘された豊公信仰、今も1月に十日戎
[読み]ほうこくじんじゃ
[説明]江戸期創建、長浜城主に由来
[住所]長浜市南呉服町2-4
[電話]0749-62-4837

石川県 豊国神社(金沢市)

豊国神社(金沢市) - 利家の遺志で江戸期を通じて祀られた豊臣秀吉、「卯辰山王」とも
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]江戸期から前田利家の遺志で祭祀
[住所]金沢市東御影町93
[電話]076-221-4957 - 市姫神社

徳島県 豊国神社(小松島市)

豊国神社(小松島市) - 阿波蜂須賀家が江戸初期に秀吉を奉斎、秀吉木像の唯一の現存例
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]江戸期から阿波蜂須賀家により奉斎
[住所]小松島市中郷町豊の本4
[電話]-

福岡県 豊国神社(福岡市)

豊国神社(福岡市) - 博多復興の神屋宗湛が秀吉の恩に報いるため邸宅で鎮祭、明治創建
[読み]ほうこくじんじゃ
[説明]博多の豪商神屋宗湛屋敷跡に鎮祭
[住所]福岡市博多区奈良屋町1-17
[電話]-

広島県 豊国神社

厳島神社 - 海中に立つ大鳥居が映える世界遺産、宗像三女神を祀る安芸国一宮
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]厳島神社末社、秀吉建立の大経堂
[住所]廿日市市宮島町1-1
[電話]0829-44-2020

岐阜県 豊国神社(大垣市墨俣町)

白鬚神社(大垣市墨俣町) - 式内「荒方神社」論社、現在は墨俣一夜城に鎮座、豊国神社も
[読み]とよくにじんじゃ
[説明]白鬚神社の境内社、墨俣一夜城
[住所]大垣市墨俣町墨俣1735
[電話]-

岐阜県 豊国社(大垣市墨俣町)

八幡神社(大垣市墨俣町) - 西町八幡・正八幡宮とも呼ばれる、式内「荒方神社」論社
[読み]とよくにしゃ?
[説明]八幡神社の境内社、不詳
[住所]大垣市墨俣町墨俣1
[電話]-

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