式内「荒方神社」論社、現在は墨俣一夜城に鎮座、豊国神社も
白鬚神社(岐阜県大垣市墨俣町墨俣1735)
[住所]岐阜県大垣市墨俣町墨俣1735
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白鬚神社(しらひげじんじゃ、白髭神社)は、岐阜県大垣市墨俣町墨俣にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「荒方神社(美濃国・安八郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

『美濃国神名帳』の「従一位 荒方明神」論社の一つで、もう一つの論社は八幡神社。もともとは現在の犀川河川敷、本巣郡と安八郡の境に鎮座していたという。であれば、八幡神社の旧社地と重なる。

御祭神は猿田彦大神。創建は不詳。江戸時代の寛文年間(1661年-1673年)、天和年間(1681年-1684年)の書物に「白髭大明神」「白髭神社」とみえる。

式内社の論拠は不明確だが、荒方神社の「荒方」は、長良川岸・墨俣より北は、古代、低湿の荒れ地で、墨俣北方の堤外地や、祖父江あたりを荒方と呼んでいたという。

また、御祭神は素盞嗚尊八世孫で和邇君などの祖である阿多賀田須命(吾田片隅命)とする説がある。「阿多賀田須」が、「荒方・墨」と転じて、「荒方」となったとも。

江戸期には式内比定論争があったという。明治7年(1874年)に白鬚社に改称し、明治12年(1879年)には村社に列する。明治13年(1880年)に現社号に改称する。

昭和13年(1938年)、犀川の改修工事のため、現在地に移転する。墨俣城の北に位置し、現在の境内は一夜城址公園の一部となっている。現在は式内に関する目立った表示は行っていないようだ。例祭は10月9日。

境内社として豊国神社(ほうこくじんじゃ)がある。これは墨俣城の模擬天守閣(墨俣一夜城歴史資料館)が築かれた際、平成4年(1992年)に大阪城公園の豊國神社から分祀したもの。

なお、大阪の豊國神社の御祭神は豊臣秀吉・豊臣秀頼・豊臣秀長であるが、当社境内社の豊国神社に分祀された御祭神は豊臣秀吉のみである。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、交通安全、地域・家内安全
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