奈良期に整備された大三島の別宮、本社と並ぶ威容、安土桃山時代の拝殿
[住所]愛媛県今治市別宮町3-6-1
[電話]0898-22-5304

別宮大山祇神社(べっくおおやまづみじんじゃ)は、愛媛県今治市にある神社。伊予国一宮で大三島の大山祇神社の別宮であり、近代社格では県社。新四国曼荼羅霊場40番。参拝すれば、御朱印を頂ける。

社伝によれば、奈良時代直前の大宝3年(703年)、越智玉澄が文武天皇の勅命により大三島から御祭神大山積大神を越智郡日吉郷に勧請し、大山祇神社の別宮(地御前)としたのに始まる。

奈良時代の和銅5年(712年)に社殿が造営された。以後、大山祇神社の社家・大祝家の分家の別宮氏が神職を勤めた。

鎌倉時代の正治年間(1199年-1200年)、大山祇神社の24の僧坊のうちの8坊が別宮に移され、別当寺大積山光明寺を称した。

それまで四国八十八箇所の55番札所は大三島の大山祇神社であったが、参拝不便のため当社(光明寺)が札所とされた。往時には本社と並ぶほどの威容を誇っていた。

戦国時代の天文20年(1551年)に落雷で社殿が炎上したが、安土桃山時代の天正3年(1575年)に来島通総により再建された。

僧坊8坊は天正年間(1573年-1592年)に長宗我部氏の軍勢により焼き払われ、後に南光坊のみが再建され、現在も隣接している。近世は藤堂高虎をはじめとして歴代今治藩主の保護を受けた。

明治初年の神仏分離で南光坊が独立。昭和20年(1945年)、今治市街地は米軍の空襲を受けて当社の社殿もほとんども焼失したが、拝殿は焼失を免れた。

この拝殿は天正3年の再建時のもので、現在は県の指定文化財となっている。他に、理海尼の石灯籠・絵馬「白馬の図」が市指定有形文化財で、クスノキが市指定天然記念物。

境内社として、阿奈波神社(磐長姫大神)、奈良原神社、清高稲荷神社、荒神社(三宝荒神・大穴牟遅神)がある。

【ご利益】
山神、海神、渡航安全、鉱山、林業、農業など
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別宮大山祇神社の御朱印