仁徳期の創祀で飛騨国二宮とも、室町期の重文社殿と彫刻の伝承、夫婦杉
[住所]岐阜県下呂市萩原町上呂2345-1
[電話]0576-24-2222

久津八幡宮(くづはちまんぐう)は、岐阜県下呂市萩原町にある神社。飛騨国二宮とされる場合があり、近代社格では県社。八幡神社・八幡宮の一つで、応神天皇を祀る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

第16代仁徳天皇65年、当地に跋扈していた怪賊である両面宿儺を成敗した難波根子武振熊命が、この地に応神天皇を祭祀したと伝えられている。この創祀は高山市の櫻山八幡宮と共通している。

相殿に天照皇大神・春日大神、別殿に仁徳天皇と他8柱の大神を祀る。

平安時代末期の平治元年(1159年)、河内源氏の棟梁である源義朝の長男源義平がこの地を訪れた際、鶴岡八幡宮を勧請した。

当社殿造立棟札では、「…伝え聞く、当国八幡宮は、源義平、保元年中に関東鶴岡より、ここに勧請する…」という記述があり、保元年間(1156年-1159年)の勧請との説もある。

室町時代の応永19年(1412年)、飛騨国国主の白井太郎俊国が本殿を再建し、安土桃山時代の天正9年(1581年)には三木自綱が拝殿を再建する。この後、順次建物が再建された。

これら三間社流造の本殿や拝殿が現存し、現在は国の重要文化財に指定されている。本殿の彫刻「鳴き鶯」は、本殿建設中に鳴いたという伝説がある。

また、重要文化財の拝殿の彫刻「水を呼ぶ鯉」は、近くの益田川を呼び寄せ、洪水を起こしてしまうと伝えられている。

樹齢1200年-1500年、幹回り12.5メートルの雌雄対の杉である夫婦杉が「久津八幡神社の夫婦スギ」として国の天然記念物に指定されている。木には乳房状のコブがあり、昔から子授けの信仰があったという。

4対の円空仏を所蔵している他、祭礼記録類が県重要有形文化財に、狛犬が市有形文化財に、本地仏開扉に関する文書並びに関連資料が有形民俗文化財に指定されている。

例祭は4月第三土・日曜日で例大祭。土曜日は試楽祭と呼ばれ、両日には、子供御輿、獅子舞、赤鬼・青鬼、騎馬武者、浦安の舞奉納、采女(献饌、撤饌をする巫女)行列などがある。

境内社に戦没者239柱の御英霊を祀る美魂神社がある。

【ご利益】
安産、家内安全、厄災除け、交通安全、商売繁昌、合格祈願など(公式HP
久津八幡宮 - 仁徳期の創祀で飛騨国二宮とも、室町期の重文社殿と彫刻の伝承、夫婦杉
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久津八幡宮の御朱印