白山信仰の美濃側中心、1月に花奪い祭「長滝の延年」、5月にでででん祭り
[住所]岐阜県郡上市白鳥町長滝138
[電話]0575-85-2023

長滝白山神社(ながたきはくさんじんじゃ)は、岐阜県郡上市白鳥町にある神社。白山神社の一つで、近代社格では県社。白山長滝神社とも。御祭神は菊理媛神で、白山比咩神・白山権現とも。また、伊弉諾尊伊弉冉尊も祀る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

伝承によれば、奈良時代の養老元年(717年)、白山中宮長滝寺として泰澄が創建した。

養老6年(723年)には同寺にて元正天皇の病気平癒を祈願して効験があったことから、元正天皇自作の十一面観音、聖観音、阿弥陀如来の本地仏を安置し、白山本地中宮長滝寺に改称したという。

平安時代の天長5年(828年)にはそれまでの法相宗から天台宗寺院へ改宗。『白山之記』によれば、天長9年(832年)には白山三馬場の一つになる。

馬場は禅定道の起点のことで、白山三馬場とは、美濃国の白山中宮長滝寺、加賀国の白山寺白山本宮(現 白山比咩神社)、越前国の平泉寺白山神社である。

平安時代の長滝寺は、白山三所、若宮社、大講堂、鐘楼、護摩堂、神楽殿、三重塔、法華堂、薬師堂など30以上の堂宇が建ち、6谷6院360坊を有していたという。

鎌倉時代になり、文永8年(1271年)には火災により半数の建物を焼失。正応3年(1290年)には本殿が再建された。

江戸時代には白山嶺上の管理を巡り、美濃馬場の白山本地中宮長滝寺、加賀馬場の白山寺白山本宮、越前馬場の平泉寺との論争が起きる。

当時は日本全国の白山神社の半数以上が当社系統の白山神社であったという。現在に至るまで白山信仰の美濃国側の中心である。

慶応4年(明治元年、1868年)、神仏分離により、当社と長瀧寺に分離。白山本地中宮長滝寺の建物のうち、白山三社、拝殿は当社となり、大講堂、薬師堂、弁天堂、鐘楼、経蔵などは長滝寺となる。

長瀧寺と参道を共有しており、参道から左側が長滝寺、右側が当社となる。明治32年(1899年)に火災で社殿を焼失し、現在の建物は大正時代の再建である。

毎年1月に行われる「長滝の延年」が国の重要無形民俗文化財に指定されている。拝殿の土間天井に吊された桜、菊、椿、牡丹、芥子の花輪を奪い合う六日祭(花奪い祭)などがある。

5月5日には、豊作、豊蚕、無病息災を祈願するでででん祭りがある。独特の太鼓を敲く音から、この名称が定着した。

国の重要文化財として、鉄蛭巻手鉾、鉄製斧 木柄付(入峯斧)、銅仏餉鉢(どうぶっしょうばち)3口、木造古楽面 27面、古瀬戸黄釉瓶子 2口がある。

また、「正安四年壬寅七月日願主伝燈大法師覚海」(正安4年は1302年)の刻銘がある石燈籠がある。その他に、黄地蝶梅文様繍狩衣・黄地牡丹文様繍狩衣。

白山神社のスギが県の天然記念物に指定されている他、絹本著色聖武天皇真影・木造狛犬・和鏡・朱根来瓶子・木造唐櫃が県指定重要文化財。

【ご利益】
五穀豊穣、大漁満足、開運招福、家内安全、良縁成就など
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