かつては女人禁制の聖地、夫婦杉と、4年に1度閏年のあまざけ祭り
荒神社(岐阜県高山市江名子町4946)
[住所]岐阜県高山市江名子町4946
[電話]-

荒神社(こうじんじゃ)は、岐阜県高山市江名子町にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 飛騨国 大野郡「荏名神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では無格社。

御祭神は火結神・火之夜藝速男神奧津日子神奧津日賣神。一説に、埴輪姫命庭日神などとするものもある。

式内社「荏名神社」の論社は他に、江名子町の荏名神社があるが、これは、江戸時代後期に稲置の森の無名の小祠を式内社として復興させたもの。

現在も、当社こそ式内社とする意見も根強いが、飛騨国総社である飛騨総社では、荏名神社の御祭神を合祀している。

宮川の支流、江名子川の上流に位置する。江名子という地名は、式内社「荏名神社」の社名から転じたとする説がある。

創建時期は不明だが、かつては女人禁制の聖地であったという。今も寒中に「裸足参り」などの風習が残っている。

南北朝時代の延元3年(1338年)、越前において新田義貞が戦死、その勇将畑六郎左衛門時能が、兵と食糧を求めて飛騨に入り、この地で墾田開拓した。

この時、京都の上賀茂と御所内の荒神の御分霊を祀り、田畑の守護神とした、とも伝わる。ただし、これが創祀では式内社とはなりえない。創建・再興伝承か。

江戸時代の元禄検地による除地帳には当社名が見える。戦後、岐阜県神社庁から白幣社の指定を受けた。

地上1メートルあまりで2本に分かれ、それぞれの周囲が4.83メートル、4.36メートル、元廻り7.6メートルの夫婦杉がある。市の天然記念物。

その他、神域はスギ、ヒノキ、ケヤキ、ナラなどが狭い境内に群生、繁茂しており、社地は市の保存林に指定されている。

4年に1度(閏年1月7日前後の土・日曜日)に、あまざけ祭り(あま酒祭り)が行われる。もともとは旧暦閏年11月18日。甘酒と五穀餅(米、麦、大豆、栗、小豆)が参拝者に振舞われる。

かつては、田に注連縄を張り、焚火で飯を炊いてその場所で甘酒を仕込み、冷めないようにして一夜その田んぼに置いて、翌朝甘酒の出来具合でその年の豊凶を占っていた。

現在は上江名子公民館の前で甘酒を仕込む。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、無病息災
荒神社(高山市) - かつては女人禁制の聖地、夫婦杉と、4年に1度閏年のあまざけ祭り
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