西行が歌に詠んだ辺津の入り江に宗像三女神を祀る、北陸最古の絵馬が残る
[住所]石川県鳳珠郡穴水町字大町ホ-1
[電話]0768-52-0753

穴水大宮(あなみずおおみや)は、石川県鳳珠郡穴水町にある神社。『延喜式神名帳』にある「辺津比咩神社(能登国・鳳至郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。正一位穴水大宮とも。境内に大砲が安置されている。参拝すれば、御朱印を頂ける。

御祭神は、田心姫命湍津姫命市杵島姫命宗像三女神天照皇大神の心化の神とし、また正一位稲荷大明神を祀る。大山咋命加具頭知命宇迦魂命少名彦命も祀る。

桜谷と称する洞穴より出ずる清泉を真名井と言い、穴水とも同意である。古来、神前までさざ波が打ち寄せたために辺津の入り江といい、舟を繋ぎ止めていたという。

創建年代は不詳。飛鳥時代に皇室から奉幣があったとも。平安時代の仁寿年間(851年-854年)に正六位に叙位。永治年間(1141年-1142年)、西行が当社へ参拝した際の奉納詠歌が伝わる。
立ち帰り 辺津の入り江に 舟とめて いくたびも見む 能登の島山
本殿正殿の地中におよそ6尺四方の神秘的な石棺があり、神代の宝器・旧記などが納められているという。

江戸時代、元禄年間(1688年-1704年)から享保年間(1716年-1736年)まで、当地は天領となって、代官による支配が続いたが、当社は郡中の総社と定められ崇敬された。当時寄進された金燈籠などが現存する。

北陸最古とされる絵馬(帆掛船)がある。縦60センチ、横90センチで、江戸時代中期の宝暦2年(1752年)の銘がある。穴水田中屋吉三郎による奉納とされる。

文化4年(1807年)には正一位の神位を奉授された。明治23年(1890年)には市宮神社を、明治41年(1908年)には火宮神社・稲荷神社・日枝神社・如意天神社を合祀した。

例祭は、春季例大祭が4月29日で、郷社祭。獅子舞を従えた神輿渡御がある。秋季例大祭が9月第2土・日曜日で、奉燈祭としてキリコ、曳山の供奉がある。

6月30日午後6時から大祓式(悪魔祓)があり、夏越大祓の神事ではあるが、奇祭と呼ばれている。「五色陰陽道の輪くぐり」がある。

兼務神社として、志ヶ浦の御門主比古神社、乙ヶ崎と河内の火宮神社、新崎と根木の白山神社、鹿島の鹿島神社、曽福の菅原神社、鹿路の八幡神社がある。

なお、式内社「辺津比咩神社」の論社は他に、鳳珠郡能登町の姫瀧神社や、輪島市河井町の重蔵神社、名舟町の白山神社がある。

【ご利益】
厄災除け、海上・交通安全(公式HP
穴水大宮 - 西行が歌に詠んだ辺津の入り江に宗像三女神を祀る、北陸最古の絵馬が残る
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