能登に初めて勧請された住吉神、前田利家の崇敬、8月にキリコ祭り
[住所]石川県輪島市鳳至町鳳至丁1
[電話]0768-22-0656

住吉神社(すみよしじんじゃ)は、石川県輪島市鳳至町にある神社。『延喜式神名帳』にある「鳳至比古神社(能登国・鳳至郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。住吉宮とも。御朱印の有無は不明。

主祭神は、底筒男命中筒男命表筒男命住吉三神)と神功皇后。鳳至比古神社として鳳至比古命と、大己貴命を配祀する。

第16代仁徳天皇12年、住吉大神を能登に初めて奉斎し、海上鎮護、万民守護の大神と称えられたのが当社。一説には、第10代崇神天皇の御宇の勧請とも伝わる。

古来、鳳至比古神社・住吉大明神として歴代皇室の尊崇が厚く、武門武将の崇敬も深く、社殿の造替、金品の寄進が数多くあった。

当社は初め、大屋庄、現在の大屋村一帯の御霊地山に鎮座し、神宮寺を鳳至院と称した。神部十二員の民邸などの旧跡、釈迦堂・仁王堂などの地名を今に残すほど盛況だった。その後、水難や兵乱のため、現在地に遷座した。

天正10年(1582年)、前田利家が能登巡国の際、当社に参拝し、社殿修復料として50俵を寄進、神主浅井則信に田地を与えた。以後、前田家累代は篤く当社を崇敬した。

明治7年(1874年)に摂末社の大国魂神社、八坂神社(牛頭天王)、稲荷神社(稻荷大神)、大姥神社、恵比寸神社(恵毘須大神)、白山神社、金山神社、塗師祖神社を合祀した。

現社殿は文化10年(1813年)に所口(七尾)の住人芝田新助矩一により建造されたもの。特に本殿は虹染、木鼻の彫刻、胴貫の花鳥、透彫など、近世の面影を残す。市の重要文化財。

例祭は8月24日。キリコが回転したりする暴れがあったり、火のついた松明が倒れた時に御幣を奪い合う「日本遺産」キリコ祭りとして知られる、輪島大祭を構成する一つ。

総輪島塗のキリコが、輪島市鳳至地区の各町内から当社に向けて出発、疾走する。奉納神事の後、松明神事が行われるが、そこへ向かう道中の橋もキリコが駆け抜ける。

当地及び能登国を代表する大宮として、今でも例祭は大宮祭と称し、その祭礼市は大宮市と呼ばれ、鳳至町の産土神として信仰され続けている。

境内社に市姫社がある。なお、式内社「鳳至比古神社」の論社は他に、同市内河井町の重蔵神社、小伊勢町の広田神社、深見町の櫟原北代比古神社がある。

【ご利益】
水難除け、海上・交通安全、地域・家内安全
住吉神社(輪島市) - 能登に初めて勧請された住吉神、前田利家の崇敬、8月にキリコ祭り
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