地神五代(ちじんごだい)とは、日本神話において、天神七代に続き、初代神武天皇以前に日本を治めたとされる5柱の神の時代のこと、及びその神々の総称である。

その5柱の神々は、天照大神天忍穂耳尊瓊々杵尊彦火火出見尊鸕鷀草葺不合尊

『古事記』にこの名称そのものの記載はない。『日本書紀』にもなく、遅くとも平安時代末期には使われ始めた言葉だという。

地神とは、地の神、国つ神、地祇(ちぎ)のことで、天神と対称をなす。天神は、菅原道真以降、その代名詞となったが、それ以前は天神七代、つまり神世七代を指した。

神世七代の最後がイザナギイザナミであり、その子にあたるのがアマテラス。つまり、天神七代から地神五代は続いているということになる。

さらに、地神五代の最後の鸕鷀草葺不合尊が神武天皇の父であり、皇統として現在まで連なる。

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霧島東神社 - 高千穂峰の山頂「天之逆鉾」が社宝、祓川神楽が伝わる崇神朝の創建の古社
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