「とおします」で人気の天満宮、安土桃山期の本殿が重文、スギやカヤ
[住所]熊本県球磨郡相良村柳瀬2240
[電話]0966-22-7757

十島菅原神社(としますがわらじんじゃ)は、熊本県球磨郡相良村にある神社。菅原道真を祀る天神・天満宮で、社名の読みから「とおします」として、受験合格祈願に参拝する学生などが多い。御朱印の有無は不明。

球磨川とその支流川辺川が合流する場所に近い平野部に鎮座する。創建は鎌倉時代の弘安年間(1278年-1288年)と伝えられている。

境内には池があり、その中に十の島が点在しており、それが地名・社名の由来となった。神社は南面し、最も大きな島に本殿、その前面に拝殿などが配置されている。

室町時代以降は相良氏から篤く崇敬され、現存の本殿は、棟木の墨書銘から安土桃山時代の天正17年(1589年)に藤原頼房(相良頼房)を施主として建てられた。

梁間二間の三間社流造で、内部には切妻造の宮殿を安置。宮殿の底板には墨書銘があり、本殿と同時に建築されたことが分かる。現在は国の重要文化財に指定されている。

拝殿は、江戸時代中期の建造と推測されている。桁行七間、梁間三間の入母屋造で、東側正面寄りに鍵屋状に饌室がみられる。

例祭は11月で、秋季大祭。天神秋祭りなどとも呼ばれ、地元団体による催物や出店、カラオケ大会などで賑わう。

神社の周りには大きなスギの大木が2本あり、東側の神社への小道のそばに一番大きなスギがあって、その他にも何本ものスギが木立を作っている。

そのスギ木立の中に大きなカヤの大木が2本立っていて、門柱のように植えられている。その果実は「虫下し」として使用されたり、おやつ代わりに食べられたという。

まわりを取り囲む池には、以前スイレン科の植物で、6月-9月に黄色い花を咲かせるコウホネの仲間の群落があったが、昭和後期に撤去された。

そのかわり今は、スイレンの仲間の植物があってコイも泳いでおり、コシアキトンボやカワトンボの仲間が飛びかう風景が見られる。

近くには、隠れ念仏の里(十島)、一向宗禁制に伴う仏典焼却の遺跡、温泉「茶湯里」などがあり、また、川辺川では、カヌーやラフティングが楽しめる。

【ご利益】
学業・受験合格、病気平癒
十島菅原神社 - 「とおします」で人気の天満宮、安土桃山期の本殿が重文、スギやカヤ
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