鎌倉期創建、蘇我氏の祖で武内宿禰の子を奉斎、鏡ヶ池と「鮒取り神事」
[住所]熊本県八代市鏡町鏡村1
[電話]0965-52-0947

印鑰神社(いんにゃくじんじゃ)は、熊本県八代市鏡町にある神社。近代社格では村社。御祭神は石川宿禰(いしかわのすくね)で、武内宿禰の第3子。「いんにゃくさん」と親しまれる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

鎌倉時代初期の建久9年(1198年)、球磨地頭相良長頼が、弟の為頼に命じて、鏡ヶ池の近くに社殿を建立し、武内宿禰の第3子である石川宿禰の分霊を勧請し創祀した。

社名の「印鑰」は、律令制において令制国の国庁が朝廷から預かった「公印」(印)と、正倉の「鍵」(鑰)を意味している。

これらの印と鍵は極めて重要であり、天皇の名代とも考えられたので、平時は別殿に厳重に保管され大切に祀られていた。

後に下八代地方の祖米が集められ郡倉が廃止され、その跡に当社が造営された。郡倉の跡は現在、市指定史跡「八代郡倉跡」となっている。

当社の御祭神は石川宿禰で、蘇我氏の祖であるが、これは蘇我氏が朝廷の財政管理官であったことに由来するのではないか、と考えられている。

例祭は4月7日・8日が春季大祭。「鮒取り神事」は「いんにゃく祭り」として知られ、国内でも珍しい神事の一つとして多くの参加者や観光客で賑わう。

御祭神が凶徒平定のため、この地に来訪した際、悪天候で海が荒れて魚が取れず、地元の若者たちが鏡ヶ池に飛び込み鮒を手づかみにして献上し、もてなしたと故事にならうもの。

大祭の日は、神幸行列が街中を練り歩き、奉納の神馬が各家々を廻り、午後2時頃に鏡ヶ池へ到着して御神輿は池を見渡す祭壇の上に据えられる。

その後お神酒の入った数十名の若者たちが威勢よく鏡ヶ池に飛び込み鮒や鯉を手掴みで捕まえ、観客のいる池の周囲に投げ上げる。

8月8日が夏季大祭。また、3月3日には境内社の粟島神社の大祭があり、ミニ鳥居くぐりが行われる。宇土市の粟嶋神社を勧請したものだろう。

粟島神社の他、境内社として、弁天宮がある。境内には樹齢数百年の楠群がある。県指定ふるさと熊本の樹木で、最大のものは推定樹齢800年以上、幹の太さ9.5メートル、樹高約25メートル。

推定樹齢500年-600年の夫婦楠が社務所手前にある。

【ご利益】
身体壮健、健康長寿、家内安全、財運(公式HP
印鑰神社(八代市) - 鎌倉期創建、蘇我氏の祖で武内宿禰の子を奉斎、鏡ヶ池と「鮒取り神事」
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印鑰神社(八代市)の御朱印