江戸期の干拓工事成功の神恩に感謝して創建、「せいしょうこ」清正さん
[住所]熊本県八代市鏡町貝洲694
[電話]0965-53-9140

貝洲加藤神社(かいずかとうじんじゃ)は、熊本県八代市鏡町にある神社。近代社格では村社。御祭神は加藤清正公。参拝すれば、御朱印を頂ける。

熊本県八代市鏡町は、総面積の約80パーセントが海を埋め立てた干拓により開かれた土地である。

鏡町近郊の干拓工事は、江戸時代の熊本藩主細川氏のもと、元禄年間(1688年-1704年)頃より始った。

その中でも、鹿子木量平(かのごき りょうへい、1753年-1851年)が中心となって行われた工事は特に大規模だった。

鹿子木量平は、工事に臨む際、土木工事・新田開発の先駆者として加藤清正の御神霊に祈った。

そして息子の謙之助らとともに、文化3年(1805年)より文政5年(1822年)にかけて、100町、400町、700町という3度の大干拓工事を、困難の末に成功させた。

文政5年(1822年)、工事の完了後、量平は加藤清正霊の加護に報いるため、清正公を祀る本妙寺浄池廟より御分霊を勧請し、新しい地域の守護神として神殿を創建した。

「せいしょうこ」さんの呼び名で親しまれ、はじめは神道と仏教の両部の宮寺であったが、明治3年(1870年)、神仏分離令により神祭に改め、村社に列した。

浄池廟も明治期に神式に改められ、現在の熊本市中央区の加藤神社となる。

なお、鹿子木量平は、その遺徳を追慕され、現在は八代市鏡町の文政神社に祀られている。鏡町には鹿子木量平・謙之助の父子の墓なども史跡として残る。

例祭は9月24日で秋季例大祭。肥後大神楽や神幸行列、神馬、巫女舞などが奉納され、近年では地域の子どもたちによる御輿や柔道大会なども催されている。

各地区から奉納される特産物のい草を使った多彩な造り物も登場する。

他に、2月24日、7月24日にも祭りがあり、露店などで賑わう。また毎年1月15日には、その年の作物のできを占う御粥神事も行われてる。

境内社に、貝洲神社(市杵嶋姫神)、和合神社(綿津見大神)がある。

現在、参道は通称「馬場通り」と呼ばれている車道となっているが、大正時代に道をまたぐようにして建てられた大鳥居がその面影を残す。

近年幾度かの台風によって大部分がなぎ倒されてしまったが、大銀杏も秋にはきれいな紅葉をみせてくれ、地域の人たちに季節を感じさせてくれる。

【ご利益】
家内安全、事業成功、土木建築、文武両道
貝洲加藤神社 - 江戸期の干拓工事成功の神恩に感謝して創建、「せいしょうこ」清正さん
【関連記事】
熊本県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、熊本県に鎮座している神社の一覧
貝洲加藤神社の御朱印