池に浮かぶように見える神社、1月に七草粥、12月にうき美たま祭
[住所]熊本県上益城郡嘉島町井寺2827
[電話]096-237-1437

浮島神社(うきしまじんじゃ)は、熊本県上益城郡嘉島町にある神社。近代社格では村社。熊野宮としてイザナギイザナミを祀る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

正式名称は「浮島熊野坐神社」(うきしまくまのますじんじゃ)。地元では親しみを込めて「浮島さん」と呼ばれている。

正確には島ではなく、半島のように池に突き出た部分に鎮座しており、対岸から眺めると浮島のように見え、厳島神社を髣髴とさせる。また、周囲は「浮島周辺水辺公園」として整備されている。

平安時代の長保3年(1001年)、この地を治めていた井王家3代目井王三郎直久は、湿地帯のため五穀の収穫が思うようにいかないため、屋敷神である熊野坐神社に日夜祈った。

ある夜、枕元に熊野の神が現れ、「屋敷の北側を掘れ」との教えを授けられた。そこで、掘ってみると、みるみる周辺の水が集まり、大きな池になった。おかげで、湿地から水気がなくなり、作物の収穫が上がり、みな喜んだ。

その晩、黄金色に輝く大きな石が池に現れ、人々を驚かす。これを「兜石」と名付けた。「兜石」は、現在も池のどこかに沈んでいる。

その日から、ひっきりなしに人々が見物に来て、賑わった。「兜石」を御神体とし、屋敷神を遷座し、井王三郎自身が神主となった。以来、1000年、井王家が神職を担っている。現在の宮司は41代目。

例祭は9月15日。1月7日の七草粥は、神饌田で作った赤米・黒米でおかゆを作り、参拝者に無料で振舞う。

12月31日のうき美たま祭は、水に浮かべると点灯するろうそく型のLEDを浮かべ、来る年の幸せ、縁結び、家内安全を祈る神事。

神の池と呼ばれる創建伝承の要の池は6000坪の湧水で、1日の噴出量は約15万トン。名水の誉れも高く、平成の名水百選・水の郷百選・ため池百選など数々の賞を受賞している。

浮島は、台風などの大雨でも水につからないため、浮き沈みの激しい業界では、縁起を担ぎ参拝する人が多い。

浮くということから、営業成績、病気がちな身体、成績などが浮上する浮き守りが有名。また、病気、悪い癖などを抑える封じ守り、自転車歴20年の宮司とフェイスブックの友達で作った自転車守りも人気。

自転車つながりで、自転車のお祓いはもちろん、宮司が境内で主催する自転車のフリーマーケット「自転車市庭」が年1回を目処に行われている。

益城町の櫛島神社、熊本市の西牟田神社・沼山津神社・西牟田浮島神社はいずれも当社御分霊を奉斎したもの。また、兼務神社として、砥川神社などがある。

末社に、赤女稲荷と厳島神社がある。

【ご利益】
縁結び、夫婦和合、子宝、安産、家内安全など(公式HP
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