若宮八幡社（わかみやはちまんしゃ）は、大分県杵築市にある神社。近代社格では県社。杵築若宮八幡社などとも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

御祭神は、大鷦鷯命、菟道稚郎子、宇礼姫（うれひめ）、久礼姫（くれひめ）。第15代応神天皇の若宮、つまり御子神を祀る。

第65代花山天皇の御宇、寛和元年（985年）12月、従五位下紀兼貞朝臣が勅宣を奉じて、伝灯大法師とともに京都男山石清水八幡宮若宮四所の御尊像を守護し奉り下向。

それを下司村柏島に鎮座し奉斎したのが当社の創始。累代宮司家は紀田家で、武内宿禰を始祖とする。福岡県久留米市には武内宿禰の総本社ともいうべき高良大社がある。

もともと、この八坂郷は宇佐の神領に属していたが、石清水八幡宮が京都男山に鎮座するとともに、貞観年間（859年-877年）頃から石清水八幡宮の神領となった。

宇多天皇の第9皇子一品式部卿敦実親王が、九州と京の間の平安と神領地の五穀の益々の豊穣を熱願し、八幡大神の若宮の四柱の尊像を白檀木に刻んだ。

それを延喜14年（918年）8月、仁和寺で開眼供養を行い、これを石清水八幡宮の神殿に奉安。当社はこの四所の尊像を奉遷したもの。

その後、天喜5年（1057年）3月には生地村岳に、承安3年（1173年）9月には中村に、そして嘉暦元年（1326年）11月には現社地、つまり金鷹山の聖地に遷座した。

中世から近世にかけて、累代藩公の氏神として尊崇篤く、地方郷民の宗祀としても崇敬された。

明治6年（1873年）、郷社に列し、大正10年（1921年）には県社に昇格した。例祭は12月1日。

毎年4月6日に行われる御田植祭が県指定無形民俗文化財。稲作の予祝儀礼ではあるが、特徴的なのは夫婦の子宝や安産、その子供の性別なども占う神事であるところ。

9月には仲秋祭があり、やはり県指定無形民俗文化財である若宮楽が奉納される。「楽の市」とも呼ばれ、地元の小中学生が中心となり、腰ミノにワラジばきといういでたちで幟を背中に差して、胸につけた太鼓をたたきながら踊る。

旧暦3月21日には弘法大師信仰に関わる御接待行事が伝わり、現在は10月の第1亥の日に行われる亥の子の行事がある。

【ご利益】
安産、子育て、身体壮健（公式HP）

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