奈良朝からの和布刈神事が伝わる、関門海峡近くに鎮座、武将・領主の崇敬社
[住所]福岡県北九州市門司区門司3492
[電話]093-321–0749

和布刈神社(めかりじんじゃ)は、福岡県北九州市門司区、関門海峡・関門大橋のすぐ近くにある神社。近代社格では県社。別名は速門社(はやとのみや)で、早鞆明神とも。古くは隼人明神と称された。参拝すれば、御朱印を頂ける。

第14代仲哀天皇9年、神功皇后が三韓征伐からの凱旋の際、自身が神主となって、西門鎮護の神として奉斎したのに始まる。

御祭神は比賣大神、日子穂々手見命鵜草葺不合命豊玉比賣命、安曇磯良神。比賣大神は別称が宗像三女神で、奥津島比売命市寸島比売命多岐津比売命

壇ノ浦の戦いの前夜には平家一門が酒宴を開いたと伝えられるが、いずれにせよ、歴代の武将や領主に崇敬され、南北朝時代の建武3年(1336年)に足利尊氏が神殿を造営している。

また、至徳年間(1384年-1387年)に大内氏が診療を寄進、応永年間(1394年-1428年)には大内義弘が、文亀年間(1501年-1504年)には大内義隆が神殿を造営している。

永禄年間(1558年-1570年)に毛利氏が神領を寄進しており、天正年間(1573年-1593年)に仁保常陸介が神殿を造営している。

江戸時代になり、元和6年(1620年)に細川忠興が神領を寄進しており、寛永5年(1628年)、細川氏が拝殿などの社殿を造営している。

明和4年(1767年)、小笠原忠総が神殿を造営しており、これが現在の社殿の基礎となっている。明治に入り、明治6年(1873年)に県社に列する。

例祭は旧暦1月1日で、和布刈神事が斎行される。社名「和布刈」とは「ワカメを刈る」の意であり、当日は3人の神職がそれぞれ松明、手桶、鎌を持って社前の関門海峡に入り、海岸でワカメを刈り採って、神前に供える。

奈良時代の和銅3年(710年)には神事で供えられたワカメが朝廷に献上されているとの記述が残っており、現在は県の無形文化財に指定されている。松本清張『時間の習俗』でも取り上げられ、境内に文学碑がある。

境内社として、猿田彦大明神・稲荷社・恵比寿社などがある。また、細川忠興、宗氏、小笠原氏の寄進となる灯籠がある。

文化財として、毛利隆元・元就の書翰の他、和布刈神事とも関わる、海幸・山幸説話に登場する干珠・満珠や、和布刈鎌がある。

【ご利益】
水難除け、交通安全、大漁満足・商売繁盛、夫婦・家内円満(公式HP
和布刈神社 - 奈良朝からの和布刈神事が伝わる、関門海峡近くに鎮座、武将・領主の崇敬社
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和布刈神社の御朱印