垂仁天皇が敵国降伏の神として創建、雨乞いの神としても知られる古社
[住所]福岡県糸島市雷山148
[電話]092-323-1111

雷神社(いかづちじんじゃ)は、福岡県糸島市、標高955メートルの雷山の中腹にある神社。近代社格では県社。雷神宮とも。例祭は9月16日。御朱印の有無は不明。

御祭神は、水火雷電神(すいからいでんしん・瓊々杵尊)を主祭神とし、高祖大神(彦火火出見尊)、香椎大神(息長足姫尊)、住吉三神、八幡神の五神。

高祖大神は同市内に高祖神社があり、香椎大神は香椎宮からの勧請と思われる。

社記によれば、第6代孝安天皇より第11代垂仁天皇の御代まで、異国からの襲来が何度もあり、当社の神が大雷火となり異賊を降伏させたという。

垂仁天皇がこの御神徳を畏こんで社殿を建立、敵国降伏の神として尊崇したと伝える。

また『雷山千如寺縁起』によれば、神功皇后が三韓征伐の時、武内宿禰に命じて宝剣・宝鏡を供えて、雷山の主神「水火雷電神」に伏敵祈願を行ったとも伝える。

古来、女人の参拝を許さず、日照りの年には古くから神面祈祷(雨乞いの祈祷)が行われた。神功皇后が武内宿禰を派遣したのもそのためか。

暦応5年(1342年)5月の九州探題一色範氏からの雨乞い祈祷の催促文や、足利尊氏の庶子足利直冬が参詣し、雨乞い祈願した後浄した際の歌が奉納されている。
世の末と いかで思はん 雷の またあらたなる 天が下哉
佐兵衛佐源朝臣直冬
幕府の祈願所として神領も広かった。領主よりの文書も多く残るが、今は大悲王院に所蔵する。

戦国の世に神領の多くは押領されたものの、天平15年(1587年)、筑前領主となった小早川隆景が6石を寄進した。これは秀秋の時に没収される。

後に黒田忠之、黒田継高からの寄進により26石に回復した。

境内社として、天満宮があり、菅原道真の他、事解男尊、大己貴命大山祇神迦具土神も合祀されている。

雷山の山頂付近には、雷神社の上宮があり、中殿に瓊々杵尊、左殿に天神七代(神世七代)、右殿に地神五代が祀られている。

参道の階段の左側には大イチョウがあり、樹齢は約900年とされる。参道の右手には県の天然記念物で、樹齢1000年以上と伝わる雷山の観音杉がある。もともと3本あったが、終戦直後に1本切られたという。

【ご利益】
平穏安寧、敵国降伏、武運長久・勝運
雷神社(糸島市) - 垂仁天皇が敵国降伏の神として創建、雨乞いの神としても知られる古社
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