奈良朝創建、近衛家の産土神、疱瘡の神、社叢に巨大なオガタマノキ
[住所]兵庫県丹波市春日町黒井2956
[電話]0795-74-0392

兵主神社(ひょうずじんじゃ)は、兵庫県丹波市春日町にある神社。福知山線の黒井駅の北1キロほど。御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「兵主神社(丹波国・氷上郡)」に比定される式内社(小社)。兵主神社の一つ。近代社格では県社。参拝すれば、

『延喜式神名帳』に記載された「兵主神社」は19社、その中で丹波国に鎮座する一社が当社。兵庫(つわものぐら)の鎮守とされ、現在は県名となり、兵庫の守護神と称す。

当社の西3.5キロほどの長王には楯縫神社がある。『延喜式』では、大嘗会で用いる神楯4枚を丹波国の楯縫氏が造ることを定めており、当社との関連もうかがえる。

奈良時代、天平18年(746年)の創建。御祭神は大名持大神少名彦名大神香具山大神蛭子大神。惠比須大神が合祀とある資料もあるが、蛭子大神のことだろう。

特に戦国時代以降は疱瘡の守護神として広く知られる。社殿の北側の社叢の中に巨石が祀られ、古来から影向石と称されていた。

大きい欅の根がこの大石を取り巻いていたいた。欅は明治中期に枯れたが、欅が疱瘡の神だったとも。

天正7年(1579年)、黒井城(保月城)落城の際に兵火で焼失。慶長10年(1605年)5月26日には近衛信伊が參籠している。明暦2年(1656年)、享保14年(1729年)の造営の記録がある。

NHK大河ドラマ「篤姫」でおなじみの近衛家が、産土神として崇敬した。鳥居の額「兵主社」は文化11年(1814年)、内大臣の近衛基前自身が揮ごうして寄進したものである。

嘉永2年(1849年)、東宮傅近衛忠熈はその子忠房の疱瘡治癒祈願を行い、程なく全快したため、その報賽として種々の献上物があり、今に社宝として伝わる。

境内には、社殿裏にある高さ34メートルのオガタマノキをはじめ、ムクノキやスギなどの巨木のほかコジイ群落がある。環境緑地保全地域および市指定天然記念物。

例祭は10月体育の日の前日。宵宮はその前日。1月に初えびす祭があり、9日が宵えびす、10日が本えびす。

【ご利益】
疱瘡の守護神、病気平癒、健康長寿(公式HP
兵主神社(丹波市) - 奈良朝創建、近衛家の産土神、疱瘡の神、社叢に巨大なオガタマノキ
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兵主神社(丹波市)の御朱印