但馬妙見、出雲大社から譲られた三重塔や、江戸期の社殿が重文
[住所]兵庫県養父市八鹿町石原1755
[電話]079-662-2793
名草神社(なぐさじんじゃ)は、兵庫県養父市八鹿町にある神社。御朱印の有無は不明。
『延喜式神名帳』にある「名草神社(但馬国・養父郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。
養父市と美方郡の境にある標高1139メートルの妙見山の中腹(標高800メートル)、妙見杉の巨木林の中に鎮座する。主祭神は名草彦大神。
天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神らを配祀する。その他の配祀神としては、日本武尊・御祖神・比賣神という説と、五十猛神・大屋津姫神・抓津姫神という説がある。
巨木林に鎮座する神ということでは後者の木の神々が妥当とも思われるが、社号「名草」が草薙の剣を連想させ、前者の説を生んだとの見方もある。
東麓の石原集落にある高野山真言宗日光院との関係が深い。近世以前は但馬妙見と呼ばれ、妙見(北辰、北斗)信仰の霊地として日本三大妙見の一つに数えられた。
石原山日光院(近世以降は帝釈寺とも)の創建は飛鳥時代と伝える。守護山名氏の庇護を受けていたが、天正5年(1577年)の豊臣秀吉の中国攻めの兵火で衰亡する。
寛永9年(1632年)、それまで山麓にあった石原山の本坊日光院を奥の院の地に移した。これが現在の当社の社地である。徳川幕府の庇護を受ける。
明治の神仏分離の際には、日光院は山麓の支院・成就院の地に移され、山上の妙見社を式内社に比定し、現社号に改称した。
境内の三重塔は、もともと出雲大社のもので、室町時代の大永7年(1527年)に出雲国主尼子経久の願いにより杵築大社(出雲大社)の境内に建立されたので、「杵築の塔」とも呼ばれる。
江戸時代の寛文年間(1661年-1673年)に行われた出雲大社本殿造営に際して、当社の御神木妙見杉を部材に提供した御礼として、出雲大社から譲られることになった。
当社へは寛文5年(1665年)3月に移建された。標高760メートルにある、日本一高所に建立された三重塔である。現在は国の重要文化財に指定されている。
この三重塔は昭和62年(1987年)10月に解体修理が完成し、丹塗りも鮮やかな姿が460年ぶりによみがえった。
本殿は宝暦4年(1754年)の建立。拝殿は元禄2年(1689年)の建立で、割拝殿形式で、いずれもやはり国の重要文化財。
例祭は7月18日。春祭が5月8日、秋祭が10月13日。1月13日にはお頭神事がある。境内からは猿尾滝を望むことができる。
【ご利益】
木の神、五穀豊穣・商売繁盛

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養父市と美方郡の境にある標高1139メートルの妙見山の中腹(標高800メートル)、妙見杉の巨木林の中に鎮座する。主祭神は名草彦大神。
天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神らを配祀する。その他の配祀神としては、日本武尊・御祖神・比賣神という説と、五十猛神・大屋津姫神・抓津姫神という説がある。
巨木林に鎮座する神ということでは後者の木の神々が妥当とも思われるが、社号「名草」が草薙の剣を連想させ、前者の説を生んだとの見方もある。
東麓の石原集落にある高野山真言宗日光院との関係が深い。近世以前は但馬妙見と呼ばれ、妙見(北辰、北斗)信仰の霊地として日本三大妙見の一つに数えられた。
石原山日光院(近世以降は帝釈寺とも)の創建は飛鳥時代と伝える。守護山名氏の庇護を受けていたが、天正5年(1577年)の豊臣秀吉の中国攻めの兵火で衰亡する。
寛永9年(1632年)、それまで山麓にあった石原山の本坊日光院を奥の院の地に移した。これが現在の当社の社地である。徳川幕府の庇護を受ける。
明治の神仏分離の際には、日光院は山麓の支院・成就院の地に移され、山上の妙見社を式内社に比定し、現社号に改称した。
境内の三重塔は、もともと出雲大社のもので、室町時代の大永7年(1527年)に出雲国主尼子経久の願いにより杵築大社(出雲大社)の境内に建立されたので、「杵築の塔」とも呼ばれる。
江戸時代の寛文年間(1661年-1673年)に行われた出雲大社本殿造営に際して、当社の御神木妙見杉を部材に提供した御礼として、出雲大社から譲られることになった。
当社へは寛文5年(1665年)3月に移建された。標高760メートルにある、日本一高所に建立された三重塔である。現在は国の重要文化財に指定されている。
この三重塔は昭和62年(1987年)10月に解体修理が完成し、丹塗りも鮮やかな姿が460年ぶりによみがえった。
本殿は宝暦4年(1754年)の建立。拝殿は元禄2年(1689年)の建立で、割拝殿形式で、いずれもやはり国の重要文化財。
例祭は7月18日。春祭が5月8日、秋祭が10月13日。1月13日にはお頭神事がある。境内からは猿尾滝を望むことができる。
【ご利益】
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