徐福伝説が残る兎の神社、4月に手筒花火や打ち上げ花火、稚児踊りの風まつり
[住所]愛知県豊川市小坂井町宮脇2-1
[電話]0533-72-3246

菟足神社(うたりじんじゃ)は、愛知県豊川市小坂井町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 三河国 宝飯郡「菟足神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

御祭神は菟上足尼命(うなかみすくねのみこと)。第8代孝元天皇の末裔、葛城襲津彦命の四世の玄孫にあたり、第21代雄略天皇の治世に穂の国(現在の東三河)国造に任ぜられたという。

葛城襲津彦命は、武内宿禰の子であり、第16代仁徳天皇の皇后磐之姫媛命の父にあたり、大和国葛城の豪族として大きな権力を持っていたとされる。

菟上足尼命は、没後、顕著な殖産、治民の功によって、三河国平井の柏木浜に奉斎され、天武天皇の治世、白鳳15年(686年)4月11日に、秦石勝が現在地に遷座した。

秦氏に絡み、当社には徐福伝説が残る。熊野から移住してきた氏族が徐福の後裔で、猪の生贄を供える神事が当社にあった。

そのため、当社は中国との関連をうかがわせるとされる。ただし、この説は近年急浮上したものとの指摘もある。

生贄神事には人身御供の伝説もあるというが、現在では雀12羽を供えているという。『和漢三才図会』にも雀12羽を射取って供えるとある。

貞観6年(864年)には、神階が従五位下に進み、『延喜式神名帳』にもその名を連ねた。中世には菟足八幡宮とも呼ばれ、江戸期には徳川家康も参拝したと伝わる。

明治維新の天皇東行の際には、勅使の参向を受けた。明治11年(1878年)には、有栖川宮熾仁親王御宸筆の社号軸を受け、大正7年(1918年)には、郷社から県社に昇格した。

例祭は4月第2土・日曜日で、風まつり(かざまつり)。手筒花火や打ち上げ花火、稚児踊りなどが奉納され、山車も出る。祭礼古面 5面が県指定有形文化財。

旧暦1月7日には県指定無形民俗文化財である田まつり(田祭り、お田祭の行事)がある。また、平安末期のものとされる大般若経 585巻が国の重要文化財に指定されている。

応安3年(1370年)の銘のある梵鐘もある。拝殿内には兎の御輿が安置されている。神紋は「兎」ともされ、社号とのゆかりも。ただし、本当の神紋は「輪寶紋」とも。

境内社に、八幡宮、山住神社、金刀比羅宮、津島神社などがある。

【ご利益】
家内安全、厄災除け、五穀豊穣・商売繁盛、交通安全
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菟足神社の御朱印