「西の靖国神社」、『古事記』神武天皇の腹心・道臣命を祀る全国唯一の社
[住所]大阪府藤井寺市林3-6-30
[電話]072-954-5126

伴林氏神社(ともはやしのうじじんじゃ)は、大阪府藤井寺市にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 河内国 志紀郡「伴林氏神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では府社

高皇産霊神を主祭神とし、大伴氏の祖神である道臣命(みちのおみのみこと)・天押日命(あめのおしひのみこと)を配祀する。

社名から、大伴氏の支族である伴林氏が祖神を祀ったものとみられる。高皇産霊神の5代目の子孫が天押日命であり、天押日命の3代目の子孫が道臣命である。

道臣命は『古事記』にも初代神武天皇の腹心として、その東遷に随行し、手柄を立てている様子が描かれている。

創建年は不詳である。戦国時代に社殿が焼失し、伴林一族が途絶えてからは地元の産土神として祀られてきた。

江戸時代には式内社「伴林氏神社」の比定が国学者によって行われているが、それら問い合わせに対しても、当時の林村の役人は牛頭天王の神社であるとして否定的な回答を返したという。

その林村でも、幕末には当社を大伴氏の祖神を祀る社であるとする認識が広まる。明治5年(1872年)に村社に列格した。

昭和7年(1932年)、軍人勅諭下賜50年を記念した調査により、当社が、軍事を司どった大伴氏の祖神である道臣命を祀る日本唯一の神社であることが判明した、という。

林つながりからか、当時の陸軍大臣だった林銑十郎が崇敬したとも伝えられる。「西の靖国神社」と称され注目されるようになった。

ただし、これは当時の陸軍次官である柳川平助から調査を委託された国学者・歴史学者の生田目経徳の持説に基づく要素が強いとされ、懐疑的な意見もある。

これ以降、境内の整備・拡充が行われ、昭和15年(1940年)に新社殿が完成して遷座が行われた。この時、靖国神社から手水舎が寄贈された。昭和17年(1942年)2月10日、府社に昇格した。

もっとも、道臣命を祀る神社は確かに珍しいが、当社が日本唯一ではない。和歌山県和歌山市には刺田比古神社がある。他にも、境内社などで祀られていることがある。

例大祭は10月第2日曜日の午前中。その前日に始祭がやはり午前中にある。だんじりの曳行がある。以前は道明寺天満宮まで宮入りしたとも伝わる。昭和60年(1985年)頃に復活したという。

7月下旬が夏祭り。1月半ばに左義長が斎行される。2月3日には節分祭がある。末社に若宮八幡社がある。御祭神は応神天皇とされるが、「若宮」である場合、その子の仁徳天皇のことが多い。

【ご利益】
武運長久、勝運、平穏安寧、家内安全(公式HP
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伴林氏神社の御朱印