通称「大寺さん」、千利休ゆかり、9月中旬の八朔祭は堺最古のふとん太鼓
[住所]大阪府堺市堺区甲斐町東2-1-29
[電話]072-221-0171

開口神社(あぐちじんじゃ)は、大阪府堺市堺区にある神社。地元では「大寺さん」と呼ばれ親しまれている。堺南組(大小路以南)の氏神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 和泉国 大鳥郡「開口神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では府社

塩土老翁神(しおつちのおじのかみ)を祀る。当社では、この塩土老翁神は住吉大社住吉三神を一つにして神徳を現した神とされ、「住吉の奥の院」と呼ばれる。

楠本神社の旧地、大鳥神社、当社、住吉大社が直線上に並ぶとも指摘される。

社伝には、神功皇后の三韓征伐の帰途、この地に塩土老翁神を祀るべしとの勅願により創建されたと伝える。

『延喜式』神名帳では「開口」を「アキクチ」と読ませている。この「アキクチ」が訛って「アグチ」となって現在に至る。天平3年(731年)の記録では「開口水門姫神社」とある。

承平2年(932年)には神階が正五位上まで昇った。天永4年(1113年)、原村の素盞嗚神、木戸村の生国魂神を合祀し、「開口三村大明神」と呼ばれ、崇敬されるようになった。

12世紀に境内に念仏寺が創建され、現在まで続く通称の由来となる。南北朝内乱時代の1389年(康応元年)に豪商野遠屋周阿弥が田地を寄付して以来、田地の寄進が相次いだ。

天文4年(1535年)には念仏寺の築地修理料として堺南荘の豪商110余名が一人一貫文ずつの銭を寄進。

この中には茶人の武野紹鴎、千利休(「せん与四郎」名義)、奈良春日大社の石灯籠にも名を残す魚屋弥次郎といった有名人の名も記されている。

これら豪商から選ばれた10数人が納屋衆、会合衆となって堺の自治組織の運営に当たり、当社の祭礼で重職を勤めた。

明治6年(1873年)に郷社に列し、明治35年(1902年)に府社に昇格した。

昭和20年(1945年)7月10日未明の堺大空襲により本殿と1663年に建築された三重塔を含め、ことごとく焼失したが、貴重な記録類は被害を免れた。

現在の社殿は昭和36年(1961年)の再建である。南側には宿院があり、住吉大祭の神輿の旅所となっている。

現在までに、素盞嗚神、生国魂神(いくくにたまのかみ)も祀る。生国魂神は式内社「生国神社」の論社か。他の論社に西湊町の船待神社がある。

例祭は9月中旬で八朔祭。堺最古の歴史を持つふとん太鼓が担ぎ出される。境内外社として、豊竹稲荷神社・白髭神社・松風神社・金比羅神社・塞神社・竈神社(三宝荒神社)など多数。

国の重要文化財に指定されている紙本著色大寺縁起 3巻 土佐光起筆、短刀 銘吉光を所蔵している。

【ご利益】
安産、開運招福、厄災除け(公式HP
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開口神社の御朱印