坂上田村麻呂が鬼人征伐、8月10日例祭宵祭の花火大会が夏の風物詩
[住所]長野県松本市筑摩2-6-1
[電話]0263-25-1835

筑摩神社(つかまじんじゃ)は、長野県松本市筑摩にある神社。近代社格では県社。八幡神として息長帯比売命誉田別命と、多紀利比売命狭依比売命多岐津比売命宗像三女神を祀る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延暦13年(794年)、石清水八幡宮より勧請を受けて創建された。正八幡宮の別名がある。創建には坂上田村麻呂(田村麿)の伝承が残る。

当時、信濃国安曇郡有明村に八面大王と呼ばれる鬼のような鬼人が住んでおり、近隣の村人たちに危害を加えていた。時の桓武天皇は田村麻呂にこの征伐を命じた。

田村麻呂は、石清水八幡宮に21日間参籠して祈願、筑摩の国府の里に八幡宮を祀れば賊の平定が成就するとの霊験を得て、石清水八幡宮を勧請したという。そのため、国府八幡宮とも。

境内には、征伐された八面大王の頭を祀った頭神社があったというが、南北朝時代に南朝吉野方と北朝村上方との戦の中で、焼失したという。

鎌倉時代以後、信濃守護の小笠原氏の祖神として崇敬された。室町時代末期の永亨11年(1439年)、小笠原政康が三間社流(三間四角)形式の本殿を再建。

現存するこの本殿は、松本地方最古の建造物であり、国の重要文化財に指定されている。また拝殿は慶長15年(1610年)、石川光長の臣、吉田清兵衛が建築したもので、県宝となっている。

当社の神宮寺だった安養寺の鐘楼を現在の社地に移したものが「鳴らずの鐘」で、永正11年(1514年)に小笠原長棟が寄進した旨の陰刻があるこの銅鐘(梵鐘)は、市の重要文化財に指定されている。

日本海軍の重巡洋艦「筑摩」の艦内神社に分祀。艦艇を擬人化したキャラクタである艦娘(かんむす)を強化・育成、正体不明の敵艦を撃破していくゲーム・アニメ『艦これ』ゆかり。

また、その名を引き継いだ海上自衛隊の護衛艦「ちくま」の艦内神社にも分祀しているという。

例祭は8月11日で例大祭。8月10日が宵祭で、松本の夏の風物詩となっている花火大会が行われる。翌11日が本祭で、お船神事が斎行される。

お船神事は、2隻の船「御符札」が中社殿の周囲を3周して競う神事で、先頭の御幡33本、御長柄槍10本に続き、30余名の村人がお船を担いで社殿の周囲を鳥居前まで回る。

1月14日には篝火神事がある。一の鳥居と二の鳥居の間に枯損木を積み重ね、夕刻から点火。拝殿で厄払いの祈祷を受け「からし揚げ」と呼ばれる煮付けた油揚げを食べる。

この火にあたれば、己が災厄を焼き尽くし、一年の病気災害を免れると伝えられ、当日は多くの参拝者で賑わう。

宝物として、陽成天皇の額や12体の龍がある他、日本国内に3面しかないといわれる納曽利の面、陵王の面がある。松本地方最古の能楽面。あとの2面は安芸の厳島神社、奈良の春日大社

なお、当社は信濃国国府の守護神として、一国一社の八幡宮、いわゆる国府八幡宮の一つだが、信濃国国分寺の守護神、いわゆる国分八幡宮として国分神社がある。国府と国分寺の守護神が明確に分かれているのは珍しい例。

【ご利益】
無病息災、五穀豊穣・商売繁盛、厄災除け
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筑摩神社(松本市)の御朱印
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