水神の森「浮島の宮」、源頼朝が創建したとも、狛犬ではなく石亀が安置
[住所]東京都墨田区堤通2-17-1
[電話]03-3611-3089

隅田川神社(すみだがわじんじゃ)は、東京都墨田区堤通にある神社。隅田村・墨田村の総鎮守で、御祭神は速秋津日子神速秋津比売神鳥之石楠船神・大楫木戸姫神。参拝すれば、御朱印を頂ける。

昔から、往古の街道筋・近世の渡場と、河川交通の要衝であり、海運・運送業者の尊崇を集めていた。現在は、首都高速道路と防災拠点建設事業のために、昔の面影はなく、社地も旧地の南100メートルの地に移転している。

社伝によると、源頼朝挙兵の折、治承4年(1180)にこの地に到り、水神の霊験に感じて社殿を造営したという。

荒川の下流、鐘ヶ淵を越え大きく曲がったこの地は、隅田川の落ち口(終点)で、かつては鬱蒼とした森が広がってた。人々からは水神の森とも浮洲の森とも呼ばれ、その社である当社は水神社、浮島の宮とも呼ばれ、親しまれた。

その森は江戸を代表するもので、江戸廿一森の一つ。昔、ここから入江が始まり、海となっていたことから「江の口」、すなわち「江戸」の語源ともなったといわれる。この森や当社は『江戸名所図会』にも描写されている。

本殿は嘉永元年(1848年)の造営で、安政5年(1858年)に再建されたもの。拝殿は元治元年(1868年)8月に建立されたもの。

維新時には社掌に矢掛弓雄が出て、大いに社運を盛り上げた模様で、彼の手になる歌碑、記念碑が現在でも多数残っている。

当社には徳治年間(1306年-1308年)銘、永正14年(1517年)銘など、合わせて三基の板碑の所蔵が判明しているが、実見はできない。社殿前には狛犬ではなく、石亀が置かれている。

御祭神の大楫木戸姫神は楫取神(かじとりのかみ)の別名で、鳥之石楠船神とともに船の神である。石亀も「船」からの連想か。境内社に、粟島神社・金神社・天神社・若宮八幡神社・三財稲荷神社がある。

例祭は6月15日。現在はその近くの土・日曜日に行われる。4年に一度の本祭では台座間口4尺5寸という超特大の神社神輿が氏子8ヶ町を渡御する。本祭以外の年である陰祭では中神輿が渡御する。

【ご利益】
水難除け、交通安全、造船業、健康長寿
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