東京スカイツリーのお膝元、三井グループ強運の守護神と三柱鳥居
[住所]東京都墨田区向島2-5-17
[電話]03-3622-2672

三囲神社(みめぐりじんじゃ)は、東京都墨田区向島にある神社。近代社格では村社。御祭神は宇迦御魂之命。参拝すれば、御朱印を頂ける。境内からは綺麗に東京スカイツリーを眺めることができる。

現在はかつての小梅村にあたる地区にあるが、旧地は須崎村にあったと推測されている。もとは田中稲荷と称した。

伝によれば、文和年間(1353-1355)、近江国三井寺の僧源慶が当地に遍歴して来た時、小さな祠のいわれを聞き、社壇の改築をしようと掘ったところ、壺が出土した。

その中に、右手に宝珠を、左手にイネを持ち、白狐に跨った老爺の神像があった。この時、白狐がどこからともなく現れ、その神像の回りを3回回って死んだ、あるいは消え去った。社号の由来である。

元禄6年(1693年)、旱魃の時、俳人其角が偶然、当地に来て、地元の者の哀願によって、この神に雨乞いする者に代わって、「遊(ゆ)ふた地や田を見めくりの神ならは」と一句を神前に奉った。

その翌日、雨が降った。このことから当社の評判が広まった。当社のことは、江戸時代後期の『江戸名所図会』にも記載されている。

江戸時代に大流行した端唄『紀伊の国』という唄に、玉姫稲荷合力稲荷袖摺稲荷真崎稲荷九郎助稲荷など奥浅草一帯にある稲荷とともに、当社も登場する。

また、松阪の豪商・三井氏が江戸に進出すると、享保年間(1716年-1736年)に当社を江戸における守護社と定め、越後屋の本支店に分霊を奉祀した。

当社のある向島が、三井の本拠である江戸本町から見て東北の方角にあり、鬼門だったことと、当社号の「囲」の文字に三井の“井”が入っており、「三井を守る」と考えられたため。

社域の一角には没後100年を経た三井家当主たちを祀った顕名霊社がある。三井グループ各社の総務部によって三囲会が組織されており、年に4回代表が一堂に会し祭典を催している。およそ5年に一度、神輿渡御がある。

本来は牛嶋神社の隣にあったが、洪水で一度流され、河岸に堤が築かれることになった際に南へ少し移動した。その堤のために、対岸から見ると、鳥居が堤から奇妙に頭だけ出しているように見え、浮世絵などに好んで描かれた。

境内には、隅田川七福神の「恵比寿」「大国神」が祀られている。木嶋神社と同様の石造りの三柱鳥居がある。この石造りの三柱鳥居は「三井邸より移す。原型は京都太秦・木嶋神社にある」と説明がある。

三井グループの強運や、太秦=ユダヤの連想などから、パワースポットとしての認知も広がっている。

三柱鳥居の手前には三本柱の屋根を持つ手水鉢がある。境内の狛犬のそばにライオン像が置かれている。三越百貨店の入り口に置かれているものと同じ像で、2009年に三越から奉納された。

当社の灯ろうの火袋には三つの穴があいている。三つ穴灯篭は三郷市の丹後神社にもある。丹後神社の御祭神も宇迦御魂之命である。

【ご利益】
強運、商売繁盛、金運
三囲神社(墨田区) - 東京スカイツリーのお膝元、三井グループ強運の守護神と三柱鳥居
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三囲神社(墨田区)の御朱印