乃木希典が殉じた明治天皇の陵の麓に村野山人が私財を投じて創建
[住所]京都府京都市伏見区桃山町板倉周防32-2
[電話]075-601-5472

乃木神社(のぎじんじゃ)は、京都府京都市伏見区にある神社。近代社格では府社。伏見桃山陵(明治天皇陵)の麓にあり、乃木希典・乃木静子を祀る乃木神社の一つ。参拝すれば、御朱印を頂ける。

薩摩藩(鹿児島県)出身の村野山人は、豊州の門司鉄道をはじめ、摂津、山陽、南海、京阪等の各鉄道の取締役を歴任した。

明治天皇の大葬の際、村野は京阪電車の会社代表として参列。翌日、乃木夫妻の殉死を聞いて強い衝撃と感銘を受けた。

村野は乃木夫妻の殉死1年後に職を辞し私財を投じて、乃木大将の人となり・日本人の心を後世に伝えることに尽くそうと考えた。

それが明治天皇の陵の麓に神社を創立した由緒となる。大正5年(1916年)9月に創建された。

大正8年(1919年)には境内社として静魂神社を創建、静子夫人の霊を祀る。現在静子夫人は本殿に遷座し、同社は摂社として山城ゑびす神社となり、恵比須神を奉斎。

四脚入母屋平入の木造銅板葺の神門がある。樹齢3000年という台湾檜(阿里山)で建てられている。内苑には乃木三絶と云われている真筆の三歌碑がある。

乃木大将の愛馬で、ロシアの将軍ステッセルから贈られた白馬・壽号とその子馬・璞号の銅像が社頭を守るように建っている。

乃木が幼少の時に暮らした長府乃木旧邸を復元、また、日露戦争の際南満州で第3軍司令部として使用された民家が記念館となっている。

創建と同時に建てられた蔵作りの宝物館には乃木直筆の書をはじめ、乃木夫妻の生活調度品、将卒と苦難をともにせられた乃木を偲ぶ武具、数々の奉納品など百数十点の宝物を展示している。

後藤貞行(愛馬疾走)、梶佐太郎(七寶焼大花瓶)、小倉右一郎(乃木将軍胸像)、長谷川榮作(乃木大将木像・静子夫人木像)など著名な彫刻家の作品もある。

堅いイメージが強い当社だが、拝殿の左前の小さな祠には「全てに勝ちま栗」、鯛の体に「幸せに成り」との文字がある像が山城ゑびす神社にあるなど、ちょっと笑ってしまう、スサノヲ以来の日本の伝統が脈々と根付いている(『古事記』該当部分)。

同名神社は全国各地にあり、当社の他、乃木夫妻が自刃した邸宅の隣地にである東京都港区赤坂、乃木の郷里の山口県下関市、別邸のあった栃木県那須塩原市、初代師団長を務めた師団の駐屯地である香川県善通寺市がある。

【ご利益】
文武両道の神、夫婦和合の神
乃木神社(京都市) - 乃木希典が殉じた明治天皇の陵の麓に村野山人が私財を投じて創建
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