江戸時代以前の本殿が現存、天然記念物「オハツキイチョウ」や火伏せの神
[住所]茨城県水戸市八幡町8-54
[電話]029-226-8854

水戸八幡宮(みとはちまんぐう)は、茨城県水戸市八幡町にある神社。近代社格では県社。白旗山八幡宮、白幡山八幡宮などとも。御祭神は、誉田別尊息長足日売尊・姫大神。参拝すれば、御朱印を頂ける。

文禄元年(1592年)、水戸城主佐竹義宣が太田の馬場八幡宮より勧請、水戸城下の八幡小路(現 水戸市北見町)に創建。若宮八幡社と号し、水府総鎮守となる。姫大神は、馬場八幡宮では宗像三女神としている。

慶長3年(1598年)、本殿を建立。現存しており、現在は国の重要文化財に指定されている。慶長7年(1602年)、佐竹氏が秋田移封となり、引き続き常盤村の鎮守となる。

元禄7年(1694年)、水戸藩の寺社改革により、茨城郡那珂西村(現 東茨城郡城里町那珂西)に遷座させられた。

水戸藩の寺社改革では、特に「八幡潰し」と呼ばれる、八幡神社の整理が主眼に置かれ、藩内105社の八幡社のうち101社が取り潰し。当社は、安良川八幡宮(高萩市)・馬場八幡宮若宮八幡宮(常陸太田市)とともに存続した4社のうちの一社。

宝永6年(1709年)、正神主田所修理清澄をはじめ氏子など町民の請願により現在地に遷座。鎮座地を選定する神事の際、白鶴一羽が舞い降りて神域を卜定した。

以来、常陸国水府総鎮守として崇敬され、また戌亥歳生まれの一代の守り神としても有名で、県内外から参拝者が訪れる。

かつては水戸城の最外堀がすぐ背後にあった。高台に位置するため、遠く日光、久慈の連山、那珂川を眼下に望むことができる。茨城百景、茨城観光百選、市民が選ぶ水戸百景に上位で選定されている。

御神木御葉付公孫樹がある。樹齢800年、樹高42メートル、幹周り9メートルという巨木で、「白旗山八幡宮のオハツキイチョウ」として国の天然記念物に指定されている。

ちなみに、オハツキイチョウは植物学的にも貴重であり、福井県大飯郡高浜町の杉森神社のものも、国の天然記念物に指定されている。

義宣が奉納したという黒韋肩浅葱糸威筋兜が県指定有形文化財。宝永6年の再遷座の際に制作された八角神輿や、当宮の創建まで制作年代が遡るともされる狛犬などが市指定有形文化財となっている。

境内に「鎮火之神二神宮」という社がある。太平洋戦争で空襲を受けた際、水戸の町は一夜にしてほとんど焼けたが、当宮は難を逃れたことから「火伏せの神」として信仰されている。

例祭は4月15日。文化財の八角神輿が市内を巡幸する。境内でも各種の神賑行事が行われる。8月第1金・土・日曜日に行われる「水戸黄門まつり」に当宮の神輿が出る。

【ご利益】
厄災除け、安産、火防(公式HP
水戸八幡宮 - 江戸時代以前の本殿が現存、天然記念物「オハツキイチョウ」や火伏せの神
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水戸八幡宮の御朱印