播磨国三宮の酒見大明神、4月に播州三大祭の一つ「北条節句まつり」
[住所]兵庫県加西市北条町北条1318
[電話]0790-42-0423

住吉神社(すみよしじんじゃ)は、兵庫県加西市北条町にある神社。加西市北条住吉神社、住吉酒見神社とも。参拝すれば、「酒見大明神」などとある御朱印を頂ける。

播磨国三宮で、近代社格では県社

京都と出雲を結ぶ街道の要衝として栄えた。第12代景行天皇の時代、古代の針間鴨国(後の播磨国賀茂郡)の黒駒村に、地元豪族の祖先神である酒見神を祀る神社として創建された。

養老元年(717年)に現在地に遷座。当地は摂津国一宮の住吉大社の神領で、当社は住吉大社に伝わる『住吉大社神代記』に記された住吉大神の宮九箇処の一社である。

このタイミングで、底筒男命中筒男命表筒男命住吉三神神功皇后が合祀されたか。当社では4柱を住吉四神と呼ぶ。

養老元年の創建伝承が伝わる。老翁老媼の神が五王子を伴い鎌倉山(河内町)に来たが、随従していた佐保神は北条へ行くように勧め、その途中神宝を盗んで、川東に逃げた。

この佐保神が祀られ、社町の佐保神社となった。

その後、翁と媼は王子を伴い北条に来て、北条に六町歩の門田を持つ山酒人に宿泊を請う。山酒人は手厚くもてなした後、神である証拠を見せてほしいと願う。

すると、翌朝には六町歩の門田がことごとく平地となり、苗が大きな松に変わっていた。ここに山酒人が神殿を造り祀ったのが当社、当時は酒見神社と呼ばれた、というもの。

東に隣接して酒見寺がある。天平17年(745年)に当社に参詣した行基に神託があり、第45代聖武天皇に奏上して建立された。

社殿は平治の乱(1159年)や天正年間(1573年-1592年)の兵火など何度も焼失と再建を経て荒廃していたところ、江戸時代初期に姫路城主の池田輝政により復興された。

古くは酒見大明神と呼ばれており、今でも御朱印などにそう記されるが、明治時代に県社に列格された際に現社名に改めた。黒駒村の大歳神と西上野村の八幡神を明治期に合祀している。

現在の本社三殿は嘉永4年(1851年)に再建されたもので、国の登録有形文化財。境内中央には勅使塚が残されており、現在は「鶏合わせ」や「龍王舞」など神事の場として使われる。

毎年4月第1土曜日から翌日に行われる神事「北条節句まつり」は播州三大祭りの一つに数えられる。播州の秋祭りと同様の布団反り屋根屋台(太鼓台)が14台登場する。

なお、当社前の民家裏に坂合神社という小祠がある。『延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 賀茂郡「坂合神社」に比定される式内社(小社)の論社。

他の論社に、先の杜の佐保神社と、東実にも佐保神社がある。

【ご利益】
家内安全、産業振興、交通安全
住吉神社(加西市) - 播磨国三宮の酒見大明神、4月に播州三大祭の一つ「北条節句まつり」
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住吉神社(加西市)の御朱印