宇夫志奈大神・小烏大神、伊勢神宮の外宮の別宮の遷宮古材で本殿を再建
[住所]香川県綾歌郡宇多津町1644
[電話]0877-49-0805

宇夫階神社(うぶしなじんじゃ)は、香川県綾歌郡宇多津町にある神社。式外社だが、『日本三代実録』に記載された国史見在社である。近代社格では県社。御祭神は大己貴命。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建は古く、紀元前より多郡津之郷に鎮座し、宇夫志奈大神と称え祀られていた。古くは宇多津はもとより土器・川津・飯野・坂元と相当広範囲にわたる産土神だったと伝わる。

日本武尊の御子である武皷王が阿野郡(現 綾歌郡)の国造となり、内海を舟で巡視している途中で暴風雨に遭い、宇夫志奈大神に祈念すると、小烏が飛来して風波をしのいだ。そのため、小烏大神とも。

武皷王の伝承は、東かがわ市の白鳥神社、三豊市高瀬町の大水上神社など、関連の伝承は丸亀市綾歌町栗熊西の宇閇神社、塩飽諸島本島の木烏神社などにも残る。

第51代平城天皇の大同元年(807年)、朝廷の勅命により社殿を造営し、現在地に遷座。平成19年(2007年)は、遷座1200年に当たった。

第56代清和天皇の貞観6年(864)11月15日に勅使下向し位記を進め、位田を賜い、正六位上より従五位下を授かった。第59代宇多天皇の寛平3年(891年)9月24日に従五位上に昇叙。明治27年(1894年)には県社に昇格。

社殿は、昭和48年(1973年)に火災により焼失し、再建された。

特に本殿は、伊勢の神宮(伊勢神宮)の第60回式年遷宮の時に「郷古材の領賜」を申請、結果、豊受大神宮(外宮)の別宮である多賀宮の御正殿を昭和51年(1976年)に下賜され、復元造営された。国の登録有形文化財。

社殿後ろの巨石磐境(いわさか)は、神社創建以前の古代祭祀の遺構といわれ、町指定の天然記念物になっている。

末社の金刀比羅神社に懸かる絵馬額の「網の浦眺望青野山真景図」は、安政2年(1855年)に描かれた町並みで、江戸時代から今も変わらぬ宇多津の街の姿に歴史的重みを知る貴重な資料となっている。

境内社は他に、塩竃神社がある。昭和9年(1934年)に合祀奉遷。

10月に行われる秋の例大祭には神輿渡御があり、町内外より多くの人が訪れ賑わう。10月10日は初白祭(はつもうし)で特殊神事であるおとぐい神事が斎行される。

【ご利益】
水難除け、交通安全、病気平癒
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宇夫階神社の御朱印