瀬戸焼の陶祖加藤景正、藤四郎を祀る深川神社の境内社、4月にせと陶祖まつり
[住所]愛知県瀬戸市深川町11
[電話]0561-82-2764 - 深川神社

陶彦神社(すえひこじんじゃ)は、愛知県瀬戸市深川町にある深川神社の境内社。陶彦社とも。瀬戸焼の陶祖・加藤景正(四郎左衛門、藤四郎)を祀る。当社そのものの御朱印の有無は不明。

瀬戸の焼物の祖と言われる藤四郎は、平安時代末期・鎌倉時代初期の1190年代に、現在の奈良近郊で、藤原元安という役人の家に生まれる。

成人後は、久我大納言道親郷に仕え、五位の緒太夫であった。名は景正、別号は春慶という。深草(現 京都市伏見区)で土器類を作り、高麗(朝鮮)などの焼物を蒐集し、その焼成方法を研究した。

貞応2年(1223年)、道元禅師に随行し宋(中国)へ渡り、6年間焼物造りの秘法を学んだという。帰国後は、焼物に適した良質の粘土を求め全国行脚。

途中、瀬戸に立ち寄り深川神社に参篭した際、「深川神社より巽の方角(南東)、祖母懐の地に、良土がある」という神のお告げを受け、良い木節粘土を発掘した。

以後、瀬戸に窯を築き、釉薬の開発に貢献するなどして瀬戸陶業の始祖となった。深川神社の陶製狛犬は神恩感謝のために藤四郎が奉納したものとされる。日本最古の陶製狛犬とも。

江戸時代後期の文政7年(1824年)、陶祖藤四郎の偉業を称え、当社が創建された。現在の社殿は大正15年(1926年)に遷宮が行なわれたもの。

旧社殿は、ゆかりのある窯神神社に移築された。しかし、窯神神社は大正14年(1925年)5月20日に放火に遭い、旧社殿は焼失している。

平成12年(2000年)から、73年ぶりに深川神社とともに修復工事を行い、平成14年(2002年)10月に竣工奉祝祭が斎行された。

昭和37年(1962年)から4月第3日曜日に当社御祭神である陶祖藤四郎を遺徳を偲ぶ陶祖祭・せと陶祖まつりが開催される。市内の会場で瀬戸焼の廉売市が開かれる。

せと陶祖まつりの初日には、陶物(すえもの)と呼ばれるやきものを当社に献上する「御物奉献行列」が行われる。笙、篳篥といった雅な音色の先導で、業界関係者らが裃や巫女姿で尾張瀬戸駅前から当社までを練り歩く。

なお、瀬戸焼において、文化年間(1804年-1818年)に加藤民吉親子によって染付磁器の製法が伝えられた肥前国有田には、有田焼陶祖を祀る陶山神社がある。

【ご利益】
陶磁器の守護神、産業振興、諸願成就(公式HP
陶彦神社 - 瀬戸焼の陶祖加藤景正、藤四郎を祀る深川神社の境内社、4月にせと陶祖まつり
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