風土記・式内の古社、神在月の出雲に集まった神々が帰国する時に集まる社
[住所]島根県出雲市斐川町併川322
[電話]0853-72-2032

万九千神社(まんくせんじんじゃ)は、島根県出雲市斐川町にある神社。万九千社(まくせのやしろ)とも。現在は立虫神社の境内社である。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「神代神社(出雲国・出雲郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格は無格社。

『出雲国風土記』の「神代社」に相当する。本殿はなく神籠磐境を祀る。創祀・創建は不詳だが、相当に古いことは確か。

御祭神は、櫛御気奴命(くしみけぬのみこと)・大穴牟遅命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこのみこと)・八百萬神(やおよろずのかみ)。櫛御気奴命は熊野大社の御祭神。

中世、鎌倉時代には神立社、安土桃山時代には神達社(いずれも「かんだちのやしろ」)と称され、近世になると、神立大明神、万九千大神などと呼ばれた。

旧暦10月26日に神送りの神事がある。つまり神在月の出雲に集まった神々が、出雲大社佐太神社を経て、いよいよ帰国する時に集まる社として知られている。

当社でも旧暦10月17日から26日までの神在において、日供を献じ、各種祈念を続ける。神々の会議を邪魔しないよう、この期間は奉楽など歌舞音曲を一切厳禁とされる。

地名も「神立」とも呼ばれ、26日のカラサデ(神等去出)祭りとも呼ばれるこの祭典では神職が「お立ち」と唱えながら、梅の枝で幣殿の扉を打つことによって神々を送る。

地元においては、この日の夜間は特に静粛を旨として、外出を慎しみ静かに神々を送る風習が今も残っている。

当社では立虫神社とともに、約400年の歴史を持つ出雲神楽のうち、いわゆる神主神楽(かんぬしかぐら)の系統のものを伝える。毎年、当社はもとより、出雲大社など県内外の神社に招かれ奉納する。

【ご利益】
諸願成就・諸産業繁栄・良縁・病気平癒・旅行交通安全など(公式HP
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