春日大社の元宮? 神武天皇の伝承残る宇留宮、勇壮な秋祭り
[住所]兵庫県神戸市西区平野町宮前57
[電話]078-961-4778

春日神社(かすがじんじゃ)は、兵庫県神戸市西区平野町にある神社。宇留春日神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 明石郡「宇留神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。現在は平野八幡神社の兼務社。

初代神武天皇の一族が明石川を船で上り、当地で水田を開き、一人の皇子を残して天皇は東の大和へ向かったといういい伝えがあり、このことから「向宇留」と呼ばれるようになった。

あるいは、神武天皇の御代における当地開拓の際に、大歳神を迎えて氏神として勧請したとも伝わる。第31代用明天皇2年(586年)2月15日の鎮座とされる。

本来の御祭神は稲倉魂命、大歳神であり、当地の稲作の守護神だったともされる。口伝によれば、旧西戸田村に元春日の地名と旧社地があり、後に宇留山に移し奉斎したとも。

斉明天皇6年(660年)に飛谷から現在地の宇留山に遷り、宇留宮・宇留神社と呼ばれた。天皇が大和へ旅立つ前に遠望した石が遥拝所石碑として今も残っている。

その後、嵯峨天皇の弘仁12年(821年)9月にも社殿を再建。春日四所大明神が天降ったと伝えられ、中世になって、大和春日大社と同体とみなされ、現社号になったと考えられる。

現在の御祭神は、武甕槌命経津主命天児屋根命・姫大神で、春日大社と同じ。神戸市の公式サイトでは、当社が春日大社の元宮との説も紹介している。

享保6年(1721年)8月に社殿を再営した記録が残る。明治7年(1874年)2月に村社に列する。

本殿・幣殿・拝殿は18世紀後期の建造物で、また、昭和53年(1978年)に大修理した能舞台も同時代のもので、いずれも市指定有形文化財。現存する手水鉢は、元文3年(1738年)の銘がある。

大人神輿が氏子内を巡行する4月の春祭りと10月の秋祭りであるが、特に秋祭りには、ふとん太鼓三台・神輿一台・鼻高天狗・高提灯・祇園ばやしや、獅子舞などの行列が巡行し、地域最大の祭典で、その勇壮さで知られる。

なお、式内社「宇留神社」の論社は他に、明石市大蔵本町の稲爪神社、神戸市西区押部谷町の住吉神社がある。 

【ご利益】
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