新潟市、遊女の荒天祈願から始まった日本唯一の回る狛犬「願懸け高麗犬」
[住所]新潟県新潟市中央区稲荷町3482
[電話]025-222-6549

湊稲荷神社(みなといなりじんじゃ)は、新潟県新潟市中央区稲荷町にある神社。新潟市の知る人ぞ知るパワースポット。参拝すれば、名物「願懸け高麗犬」などとある御朱印を頂ける。

創建は享保元年(1716年)と伝わる。河口湊である新潟湊に入る船は、当社の森を目当てに進んだという。

船関係者が航海の無事を祈願する社で、また、船乗りを相手にする遊女の信仰も集めた。その中で生まれたのが、「願懸け高麗犬」(がんかけこまいぬ、願掛け高麗犬)である。

台座と像の間に0.5センチほどの隙間「あそび」があるこの高麗犬(狛犬)は、向きを変え、回すことができる。現在は三代目で、平成7年(1995年)4月16日に安置された。

初代の高麗犬は願いが叶わず、川堀に投げ込まれてしまい、その後の捜索でも見つけることができなくなったという。

あるいは、境内前の堀に落とされ、その後も引き上げられず、堀が埋められ道路となった今、地中に埋没していると伝わる。二代目は嘉永7年(1854年)銘がある。

二代目も破損がひどくなり、現在の三代目に替わったが、二代目は現在もケースに収められ、拝殿に置かれている。市指定有形民俗文化財の第1号。

和船の出入りで新潟港がにぎわっていたころ、港に入る船の船乗りは花柳界に遊び、その夜、遊女に送られて船に帰るのが新潟の風俗だったという。

遊女たちがこの高麗犬を動かして西向きにし、西風で荒天となって海が荒れ、船乗りが出航できず、いつまでも自分と遊んでくれるのを祈願したことに始まる。荒天祈願して商売繁盛を願う変わった風習。

現在では、日本唯一とも言われる、回る狛犬、狛犬に願をかける神社として有名で、遠方からも願掛けのために、高麗犬を回しに来る参拝客が多い。

天保14年(1844年)にはすでに定着していたという記録もあり、今に始まったものではない、ざっと150年以上の歴史がある、今や由緒正しい神事となっている。

自分の願意(願いごと)を心に念じながら、男の人は向かって右、女の人は左の高麗犬を回す。相当重いため、女性は特に右往左往している光景も目にする。

稲荷らしく狛狐もある。ただし、足に麻の紐が巻かれている。昔、夫が浮気相手のところに行かないよう、本妻が夜中に来て、足を縛り願掛けしたことに由来するもの。現在は、紐に付いた小さな紙に様々な願いごとを書き込めるようになっている。

当社は新潟市の下町神社めぐりの一社。他には、西厩島町の金刀比羅神社、四ツ屋町の開運稲荷神社、寄合町の金刀比羅神社、東湊町の豊照稲荷神社、東堀通の住吉神社、古町通の秋葉神社。

下町神社めぐりには、新潟市観光循環バス「犬夜叉号」「ドカベン号」(1回乗車:大人200円・こども100円。1日乗車券:大人500円・こども250円)が便利。

【ご利益】
諸願成就、商売繁盛
湊稲荷神社 - 新潟市、遊女の荒天祈願から始まった日本唯一の回る狛犬「願懸け高麗犬」
【関連記事】
新潟県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、新潟県に鎮座している神社の一覧
湊稲荷神社の御朱印