火の神・男女2柱、鶴見岳山頂・中腹・山麓の三宮からなる別府温泉の守り神
[住所]下宮:大分県別府市火売8-1
[電話]0977-66-2402

火男火売神社(ほのおほのめじんじゃ、火男火賣神社)は、大分県別府市にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 豊後国 速見郡「火男火賣神社二座」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。別府温泉の守り神とも呼ばれる。温泉に関わる式内社である。

別府市鶴見岳山頂の上宮(奥宮)、中腹(東山)の中宮(御嶽権現)、山麓(火売)の鉄輪温泉近くにある下宮(里宮、鶴見権現)の三宮からなる。

御祭神は上宮と中宮が火之加具土命(ほのかぐつちのみこと)・火焼速女命(ひやきはやめのみこと)、下宮が伊弉諾命伊弉册命・火之加具土神・大山祇神

社伝では、宝亀2年(771年)の創祀。御祭神で社名の由来ともなっている火之加具土命、火焼速女命は、鶴見岳の二つの山頂を男女2柱に見立てたものと考えられる。

古代より豊後国速見郡の鶴見岳山麓に温泉があることは広く知られていたが、鶴見岳の活発な噴火活動で荒地や沼地になっており、整備されていなかった。

『豊後国風土記』や『万葉集』には、現在の柴石温泉の血の池地獄にあたる「赤湯の泉」や、鉄輪温泉の地獄地帯にあたる「玖倍理湯の井」などについての記載がある。

また『伊予国風土記』逸文には、大国主命が火男火売神社の御神体である鶴見山麓から湧く「速見の湯」を海底に管を通して道後温泉へと導き、少彦名命の病を癒したという神話が記載されている。

『日本三代実録』では、貞観9年(867年)1月20日に鶴見岳が噴火した際、朝廷から豊後国司への命で当社の神前で大般若経が読まれたという。

建治2年(1276年)、九州各地を勧進していた一遍が別府に立ち寄り、鶴見権現の導きにより「玖倍理湯の井」を鎮めて鉄輪温泉の石風呂(現 鉄輪むし湯)を開いたとされる。

別府八湯の守り神として信仰を集めている。

天正年間(1573年-1593年)、大友宗麟によって社殿が焼かれ、古文書なども焼失したが、寛文4年(1664年)に久留島道清が下宮を再建。

下宮周辺の鶴見村は森藩の飛び地となっており、明礬温泉で生産される明礬(湯の花)は藩の重要な財源だった。現在、「別府明礬温泉の湯の花製造技術」として、重要無形民俗文化財となっている。

中宮にある御嶽権現社宝塔が県指定有形文化財。中宮の御嶽権現社の自然林、下宮の鶴見権現社のイチイガシ林が県指定天然記念物となっている。

例祭は10月17日。

【ご利益】
火防、温泉の守護、リフレッシュ、夫婦和合
火男火売神社 - 火の神・男女2柱、鶴見岳山頂・中腹・山麓の三宮からなる別府温泉の守り神
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火男火売神社の御朱印