浜下りで知られる、天智天皇の行幸を機に創祀された開聞新宮九社大明神
[住所]鹿児島県指宿市東方773
[電話]0993-22-4052

揖宿神社(いぶすきじんじゃ)は、鹿児島県指宿市にある神社。近代社格では郷社。指宿郷の総氏神である。参拝すれば、御朱印を頂ける。

大日孁貴命(天照大御神)を主祭神とし、相殿に御子神(天之忍穂耳命天之穂日命天津日子命活津日子根命熊野久須毘命多紀理毘売命狭依日売命多岐津比売命)の宗像三女神を含む五男三女神を合わせ祀る。

摂社に東之宮(彦火火出見命)・二龍宮(和田都美命)・聖宮(塩土翁命)・懐殿宮(昭美日月命)・西之宮(天命開別命)・姉姫宮(豊玉姫命)・天井宮(玉依姫命)・荒仁宮(大己貴命)を奉斎する。

昭美日月命は不詳、天命開別命は天智天皇。天智天皇に関連して、南九州市には飯倉神社がある。

主祭神と摂社8柱の神をあわせて開聞新宮九社大明神と唱え、昭和43年(1968年)3月19日に市内十二町字諏訪に鎮座していた南方神社の建御名方命を合祀した。

社伝によれば、慶雲3年(706年)にこの地に行幸した天智天皇の遺品を奉じて作られた「葛城宮」が創祀だという。貞観16年(874年)の開聞岳の噴火により被災した枚聞神社を避難遷宮した。明治になって現社号に改称し、郷社に列した。現在は単立神社である。

現存する社殿は弘化4年(1847年)、島津斉興によって建てられたもので、本殿は入母屋造妻入、石造の鳥居は鹿児島市の甲突五石橋を造った肥後国石工・岩永三五郎の作、手水鉢は調所広郷の寄進による。

社殿は、本殿・舞殿・拝殿・勅使殿を一列に配し、勅使殿の左右に東長庁・西長庁を備える建物群。総楠造りで、棟梁は川内市の新田神社や姶良市の蒲生八幡神社などを造営した阿蘇鉄也である。市の有形文化財に指定されている。

室町時代頃の作とされる能面3面が県指定有形文化財。樹齢1000年を越える大楠8本など境内森林の鬱蒼とした景観を醸し出している社叢が県指定天然記念物となっている。社前に立つ椋が「田の神依代ムクノキ」として、市指定有形民俗文化財。

例祭は春分の日。旧暦3月20日、現在は2年(西暦奇数年)に1度、5月に浜下りが行われる。祭典後、当社から宮ヶ浜までの約3.8キロを、高さ4メートルの猿田彦の人形山車を先頭に、2時間あまりかけて神幸行列する。天文14年(1545年)から続く伝統行事。

【ご利益】
開運招福、子宝、航海安全(公式HP
揖宿神社 - 浜下りで知られる、天智天皇の行幸を機に創祀された開聞新宮九社大明神
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