源頼義の悪鬼退治伝承と箭根石のお守り、9月の例大祭は祇園祭の影響も
[住所]青森県下北郡佐井村字八幡堂37
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箭根森八幡宮(やのねもりはちまんぐう)は、青森県下北郡佐井村にある神社。御朱印の有無は不明。

御祭神は、誉田別尊(ほんだわけのみこと、応神天皇)・息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと、神功皇后)・比売大神(ひめおおかみ)。相殿に月読尊(つきよみのみこと)を祀る。

当社に伝わる『箭根森八幡宮縁起』によれば、康平5年(1062年)、源頼義に勧請され、延宝2年(1674年)7月、南部藩第4代藩主南部重信によって再建されたとある。元禄9年(1696年)には南部藩田名部代官所に神輿渡御執行を願い出ている。

頼義の悪鬼退治の伝承が伝わる。悪鬼退治を懇願された頼義が兵を進め、悪鬼が現れたものの、その威力に頼義軍がなすすべがなかった時、白鳩が一羽飛び立ったかと思うと、そこに白衣の神が現れた。

神は神弓に神矢をつがい、悪鬼に向かって放つと、矢は額の真中を射通し悪鬼を退けた。頼義はこの神恩に感謝し、箭根石(矢じり)が数多く出土する霊地である当地に社殿を造営し、八幡神を奉斎したという。

相殿神は海上安全の神として、いずれかの時期に出羽三山月山神社より御分霊を賜ったものと考えられている。宝永6年(1709年)に八幡宮神輿とともに、月山宮神輿が寄進されていることからそれ以前に合祀されたものと思われる。

明治6年(1773年)、現在の本殿、拝殿を建立。昭和51年(1976年)に幣殿を増築。平成4年(1992年)より神輿渡御三百年祭事業として、内・外壁修理、手水舎の改築、参道の整備などを行い、平成7年(1995年)には神輿渡御三百年祭記念大祭が執行された。

例祭は9月15日で例大祭。当日に神輿渡御がある。前日の9月14日は宵宮祭、翌日の9月16日は還御祭。上述の元禄期から始まった当社例大祭は、北前船によって伝えられた京都祇園祭の流れを汲む祭典。

祭囃子などは当時の祇園祭の囃子に近いといわれ、渡御の行列は神楽を先頭に神輿2基とお供、山車4台で行列を組み村内を練り歩く。山車は主に若者によって運行され、「ヤーコーリャ」の掛け声で方向転換する様が圧巻。

創祀伝説や当社号の由来ともなっている箭根石は当社境内より出土し、魔除け、厄除けのご利益があるといわれる。代々の南部藩主や新井白石にも献上され、現在も多くの参拝者がお守りとして持ち帰る。一度に二個持ち帰ると天罰が下ると言い伝えられている。

【ご利益】
厄災除け、身体壮健、勝運・武運長久など(公式HP
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