『常陸国風土記』に記載がある奥宮と式内社の中宮、徳川光圀の崇敬と三本杉
[住所]茨城県日立市入四間町752
[電話]0294-21-8445

御岩神社(おいわじんじゃ)は、茨城県日立市入四間町、御岩山の麓にある神社。常陸国の最古の霊山とされ、全山の御祭神は188柱。パワースポットとして名高い。

平成の世に楼門として再建された大仁王門でも知られる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

境内には、『常陸国風土記』に「かびれの宮に天つ神鎮まる」とあるかびれ神宮の他、当社の中宮に位置づけられる薩都神社(さとじんじゃ)がある。

これは『延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 常陸国 久慈郡「薩都神社」に比定される式内社(小社)の論社である。他の論社に、常陸太田市の同名神社がある。

当社の御祭神は国常立尊(くにとこたちのみこと)・大国主命(おおくにぬしのみこと)・伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)・伊邪那美尊(いざなみのみこと)の他に22柱。

かびれ神宮の御祭神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)・邇邇藝命(ににぎのみこと)・立速日男命(たちはやひをのみこと)。

立速日男命は『常陸国風土記』にしか登場しない天津神で、薩都神社中宮の御祭神でもある。

創建時期は不明であるが、『常陸国風土記』の記述の他、『日本三代実録』『続日本後紀』などの国史にも記載され、『古語拾遺』にも記述がある。

周辺では、縄文時代の祭祀跡と考えられる遺構なども検出されている。

御岩山は、かびれ山、葦原山、天香久山などと呼ばれ、江戸時代には徳川家からは神地189町が寄進され、水戸藩の出羽三山として位置づけられ、水戸領からはもちろん、遠く下総方面からの参詣もあった。

御岩大権現、奥宮かびれ大神宮は水戸藩の祈願所として定められ、藩主は代々参拝するのを常例とした。また、社殿の維持管理を始め、参拝者より徴収する「山役銭」の管理まですべて水戸藩によって行われた。

水戸藩2代藩主徳川光圀は明暦3年2月11日、奥宮であるかびれ大神宮で王政復古修史編さん(『大日本史』)の祈願「筆初めの儀」を行い、次の誓歌を詠んだ。
国の中に はびこる草根 刈りたちて 君が千代田に 返し奉らん
江戸期は、神仏混淆による祭祀で、当時の境内に21の神社寺院があり、寺町と呼ばれ、門前町である入四間宿を御町と呼ぶ、一大霊地を形成していた。

明治維新によって神仏分離が実行されたが、現在も独特の祭祀が続けられている。

御神木として、三本杉がある。幹周囲9メートル、高さ50メートル、推定樹齢600年、幹が地上3メートルより三本に分れ、均等に天をつく巨樹で、県指定天然記念物。「森の巨人たち百選」選定。

境内社として他に、斎神社(さいじんじゃ)がある。御祭神は、天御中主神高皇産霊神神皇産霊神八衢比古神・八衢比賣神(やちまたひめのかみ)。

斎神社拝殿内には、鎌倉時代末期の作といわれる大日如来像(県指定有形文化財)と、室町時代の作といわれる阿弥陀如来像(市指定文化財)がある。大日如来像は、当山の守り仏、特に未・申生まれの守り本尊。

例祭は4月8日。かびれ神宮の例祭は2月11日、斎神社の例祭は回向祭と呼ばれ、4月第3週と10月第3週に行われ、10月は大日如来像の御開帳がある。薩都神社の例祭は5月上旬。

【ご利益】
国家安寧、結び、縁結び、夫婦和合、リフレッシュ(公式HP
御岩神社 - 『常陸国風土記』に記載がある奥宮と式内社の中宮、徳川光圀の崇敬と三本杉
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御岩神社の御朱印