「官社の制」として琉球王朝から特に崇敬された熊野権現を中心とした神社
琉球八社 - 「官社の制」として琉球王朝から特に崇敬された熊野権現を中心とした神社
琉球八社(りゅうきゅうはっしゃ)とは、琉球王国において「官社の制」により王府から特別の扱いを受けた八つの神社である。現在では、沖縄の神社巡りとしても人気がある。

その起源やいわれなどは、正直よく分かっていない部分もある。全て真言宗寺院に併置されており、安里八幡宮以外、御祭神が熊野権現であること、その首座が波上宮だったのは、隣接の護国寺が琉球における真言宗各寺の本寺であったためともされる。

王府から神職の役俸並びに営繕費が支給された八社でもあり、近世沖縄の信仰を考える上でも重要な要素であることは間違いない。ただし、明治になると、沖縄県となって、この制度もなくなり、波上宮以外、近代社格制度では村社にもなれず、無格社と定まった。

熊野権現の特徴なのかもしれないが、『琉球国由来記』を中心として、由緒・縁起が比較的しっかりと整備されているのも特徴。それによれば、八社とも八社なりの非常に興味深い縁起が伝わっており、それに思いを馳せて各社を巡るのも一興。

金武宮は金武観音寺のものとはなるが、八社ともそれぞれに御朱印を頂けるため、その収集コンプリートを目指す寺社ファンも多い。

1 波上宮

波上宮 - 沖縄総鎮守で琉球国新一の宮、「守礼の邦」沖縄の永世泰平を守護
[縁起]14世紀の察度王の時に創建、一宮
[住所]那覇市若狭1-25-11
[電話]098-868-3697

2 沖宮

沖宮 - 源為朝の頃の創祀とも、15世紀に那覇港で古木を得て創建された船・航海の守護神
[縁起]15世紀に那覇港で古木を得て創建
[住所]那覇市奥武山町44
[電話]098-857-3293

3 識名宮

識名宮 - 北斗星と牽牛星の間にまで光射された、琉球王子の病気を治癒した霊験ある古社
[縁起]琉球王子の病気を治癒した霊験
[住所]那覇市繁多川4-1-43
[電話]098-853-7225

4 普天満宮

普天満宮 - 熊野権現と顕現した琉球古神道の女神らを祀る「九月拝み」の風習伝わる古社
[縁起]「九月拝み」の風習伝わる古社
[住所]宜野湾市普天間
[電話]098-892-3344

5 末吉宮

末吉宮 - 1450年代に霊夢が契機に創建された、社殿をつなぐアーチ状の石造階段が特徴的
[縁起]社殿をつなぐアーチ状の石造階段
[住所]那覇市首里末吉町1-8
[電話]098-868-2717 - 波上宮

6 安里八幡宮

安里八幡宮 - 矢と鐘、琉球王の喜界島討伐を加護し戦勝に導いた琉球八社唯一の八幡神
[縁起]矢と鐘、琉球王を戦勝に導いた神
[住所]那覇市安里3-19-14
[電話]098-863-8716

7 天久宮

天久宮 - 山の中腹に住む熊野権現と山上の森に住む弁財天の不思議な由緒が残る琉球八社
[縁起]熊野権現と弁財天の不思議な伝承
[住所]那覇市泊3-19-3
[電話]098-868-3697 - 波上宮

8 金武宮

金武宮 - 観音寺の敷地内、紀州から渡来した日秀上人が鍾乳洞を霊跡として宮を建立・創祀
[縁起]観音寺の敷地、霊跡・鍾乳洞を奉斎
[住所]国頭郡金武町金武222
[電話]098-968-8581

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