熊野権現と顕現した琉球古神道の女神らを祀る「九月拝み」の風習伝わる古社
[住所]沖縄県宜野湾市普天間
[電話]098-892-3344

普天満宮(ふてんまぐう)は、沖縄県宜野湾市普天間にある神社。琉球八社の一つで、近代社格では無格社。沖縄県中部最大の聖地とされ、別称は普天満権現。一般には普天満神宮とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。オリジナルの御朱印帳があり、人気。

創建については、往昔、普天満の洞窟に琉球古神道神を祀ったことに始まる。当宮の縁起伝承には、首里桃原に女神が出現し、後に当宮の洞窟に籠ったという伝承がある。

尚金福王から尚泰久王(1450年-1460年)の頃に、熊野権現を合祀したと伝わる。現存する古い記録に、普天満権現碑(1590年)があり、『琉球神道記』(1605年)、『琉球国由来記』(1713年)、『琉球国旧記』(1731年)にも記載がある。

熊野権現として、伊弉冉尊・速玉男命・事解男命・天照大御神・家都御子神を、琉球古神道神として、日の神・竜宮神(ニライカナイ神)・普天満女神(グジー神)・天神・地神・海神を祀る。沖縄独自の信仰に基づく「御嶽」崇拝の特徴を色濃く残す。

中城間切り(現 北中城村)安谷屋村の百姓夫婦や美里間切東恩納村の当ノ屋(屋号)に黄金を授け苦難を救ったという伝承があり、当ノ屋ではそのお礼参りが続いている。

旧暦9月は普天満参詣と呼ばれる行事があり、かっては中山王はじめ、一般の人々も、重箱詰の御馳走を持参して参詣し、境内は賑わったという。「九月拝み」とも。別当は神宮寺だった。

近世沖縄における熊野三山、いわゆる権現信仰としては末吉宮熊野新宮に、識名宮熊野本宮に擬せられたが、、当宮は熊野那智(飛龍)に見立てられた。

沖縄戦のあった昭和20年(1945年)には、当時の社掌が御神体を持って本島南部の糸満に避難した。

戦争終結後は、敷地が米軍により接収されていたことにより、具志川村(現 うるま市)に仮の宮を造営、その後、米軍により敷地が解放され、昭和24年(1949年)に元の本殿へと戻った。

昭和38年(1963年)には拝殿を、昭和43年(1968年)には本殿を再建。昭和43年頃、熊野三山より熊野権現を改めて勧請した。

例祭は旧暦9月15日。境内奥の洞穴の内部に奥宮が祀られている。正月期間中及び、当宮の都合などを除き、拝観可能。市の名勝に指定されている。

なお、当社は日本のプロサッカーリーグ、JリーグのFC琉球が必勝祈願を行う神社である。 

【ご利益】
航海安全・豊漁、交通安全・縁結び・安産、建築関係諸祈願・諸願成就(公式HP
普天満宮 - 熊野権現と顕現した琉球古神道の女神らを祀る「九月拝み」の風習伝わる古社
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