中世には日前國懸神宮にも対抗、和佐山の山頂と山麓に鎮座する高三所明神
[住所]和歌山県和歌山市禰宜1390
[電話]073-477-0860
高積神社(たかつみじんじゃ、髙積神社)は、和歌山県和歌山市禰宜にある神社。御朱印の有無は不明。
標高237メートルの高積山(和佐山)の山頂に上ノ宮、山麓に下ノ宮が鎮座する。別称を「高社」「高宮」「高御前」「高三所明神」とも。
『延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 紀伊国 名草郡「都麻都比売神社」(名神大社・月次新嘗)、あるいは「高積比古神社・高積比売神社」(小社)に比定される式内社の論社。近代社格では村社。
御祭神は、主祭神が都麻都比売命(つまつひめのみこと)、五十猛命(いたけるのみこと、別名は大屋毘古神)、大屋津比売命(おおやつひめのみこと)。
構成は伊太祁曽神社と同じだが、妹神の方が上位に祀られているのが特徴。
天照皇大神・須佐男命・八王子神・大山祇神・気津別神・応神天皇・神功皇后・比売大神を配祀する。
創建は不詳。式内社「都麻都比売神」としての史料の初見は『続日本紀』大宝2年(702年)の記事において、伊太祁曽・大屋都比売・都麻都比売3社を分遷したというもの。
『新抄格勅符抄』大同元年(806年)牒では、紀伊国の「都麻頭比売神」に対して13戸が給されている。
関連して、承平年間(931年-938年)頃の『和名類聚抄』では紀伊国名草郡に「津麻(津摩)郷」が見えるが、これは「津麻神戸」を意味するとされる。
神階としては、貞観元年(859年)に伊太祁曽神・大屋都比売神とともに「神都摩都比売神」として従四位下に昇った。
『紀伊国神名帳』では天神として「従四位上 都摩都比売大神」と記載されるが、正一位に昇った伊太祁曽大神とは神階に差が開いた。同帳では関連して「従四位下 妻都比咩大神」の記載が見える。
式内社「都麻都比売神」の論社は他に、市内の吉礼には都麻津姫神社が、西尾には都麻都姫神社がある。当社の兄神である伊太祁曽神社と、姉神である大屋都姫神の3神を伊太祁曽三神と総称する。
日前神宮・國懸神宮と和佐荘との間で起こった水論での永享5年(1433年)の言上状では、当社が古くは日前宮の地(濱宮)にあったといい、第11代垂仁天皇16年に日前神宮・國懸神宮が現在地に遷座したため、当社も山東、のち和佐山へと遷座したとする。
この伝には『続日本紀』大宝2年(702年)の記事とも一致が見られることから、『紀伊続風土記』では当社が都麻都比売神社である可能性が高いとしている。
この水論では和佐荘側に当社が擁立されており、当社は日前宮に対抗できるだけの権威を有していた。
明治6年(1873年)、村社に列した。明治43年(1910年)には気鎮神社をはじめとして和歌山市和佐地区内の十数社を合祀した。
例祭は、上ノ宮が4月15日(4月第2日曜日)で春祭、下ノ宮が10月10日(体育の日)で秋祭。12月15日には火踏神事がある。
【ご利益】
木の神様、いのち・厄難除けの神
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標高237メートルの高積山(和佐山)の山頂に上ノ宮、山麓に下ノ宮が鎮座する。別称を「高社」「高宮」「高御前」「高三所明神」とも。
『延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 紀伊国 名草郡「都麻都比売神社」(名神大社・月次新嘗)、あるいは「高積比古神社・高積比売神社」(小社)に比定される式内社の論社。近代社格では村社。
御祭神は、主祭神が都麻都比売命(つまつひめのみこと)、五十猛命(いたけるのみこと、別名は大屋毘古神)、大屋津比売命(おおやつひめのみこと)。
構成は伊太祁曽神社と同じだが、妹神の方が上位に祀られているのが特徴。
天照皇大神・須佐男命・八王子神・大山祇神・気津別神・応神天皇・神功皇后・比売大神を配祀する。
創建は不詳。式内社「都麻都比売神」としての史料の初見は『続日本紀』大宝2年(702年)の記事において、伊太祁曽・大屋都比売・都麻都比売3社を分遷したというもの。
『新抄格勅符抄』大同元年(806年)牒では、紀伊国の「都麻頭比売神」に対して13戸が給されている。
関連して、承平年間(931年-938年)頃の『和名類聚抄』では紀伊国名草郡に「津麻(津摩)郷」が見えるが、これは「津麻神戸」を意味するとされる。
神階としては、貞観元年(859年)に伊太祁曽神・大屋都比売神とともに「神都摩都比売神」として従四位下に昇った。
『紀伊国神名帳』では天神として「従四位上 都摩都比売大神」と記載されるが、正一位に昇った伊太祁曽大神とは神階に差が開いた。同帳では関連して「従四位下 妻都比咩大神」の記載が見える。
式内社「都麻都比売神」の論社は他に、市内の吉礼には都麻津姫神社が、西尾には都麻都姫神社がある。当社の兄神である伊太祁曽神社と、姉神である大屋都姫神の3神を伊太祁曽三神と総称する。
日前神宮・國懸神宮と和佐荘との間で起こった水論での永享5年(1433年)の言上状では、当社が古くは日前宮の地(濱宮)にあったといい、第11代垂仁天皇16年に日前神宮・國懸神宮が現在地に遷座したため、当社も山東、のち和佐山へと遷座したとする。
この伝には『続日本紀』大宝2年(702年)の記事とも一致が見られることから、『紀伊続風土記』では当社が都麻都比売神社である可能性が高いとしている。
この水論では和佐荘側に当社が擁立されており、当社は日前宮に対抗できるだけの権威を有していた。
明治6年(1873年)、村社に列した。明治43年(1910年)には気鎮神社をはじめとして和歌山市和佐地区内の十数社を合祀した。
例祭は、上ノ宮が4月15日(4月第2日曜日)で春祭、下ノ宮が10月10日(体育の日)で秋祭。12月15日には火踏神事がある。
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